研究概要 |
① 次世代光干渉断層法によるスペクトロスコピー開発 昨年までに行った剖検例の冠動脈および動脈硬化家兎(WHHL)を用いた次世代光干渉断層法(FD-OCT)画像と組織像との比較から、FD-OCTシグナルの減衰・分散などの解析を組み合わせることにより、従来の光干渉断層法(TD-OCT)と同様に冠動脈プラークを線維性・脂質性・石灰化などに分離することが可能で、そのデータに基づいて冠動脈プラークを識別表示することが可能であることを確認した。特に石灰化病変や金属ステントストラッドを自動的に認識できるシステムを開発し学術雑誌(Phys Med Biol 56:6665-6675, 2011)に報告し、本年度はそのソフトを最新機種に搭載し臨床応用を開始している。脂質プラークの自動認識は現在進行中である。 ② 臨床例における不安定プラークの評価 臨床例においても冠動脈硬化病変のFD-OCT像を上記システムを搭載した最新機種を用いて記録し、プラーク組織の識別化に取り組んでおり、急性冠症候群の責任病変では表在性の石灰化が多いことを最近報告した(Am J Cardiol, doi:pii: S0002-9149(13)00703-0. 10.1016/j.amjcard.2013.02.048)。これらの一連の研究成果を同領域の研究者と共同でinternational working groupのconsensus documentの一部として米国心臓病学会誌(J Am Col Cardiol 59: 1058-1072, 2012)に報告した。
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