研究課題/領域番号 |
22590801
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
伊藤 宏 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10232464)
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研究分担者 |
渡邊 博之 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323145)
大場 貴喜 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80431625)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 心筋細胞肥大 / 細胞死 / Ca流入性TRPチャネル / STIM1 |
研究概要 |
慢性の心負荷がかかると心筋細胞は「代償性心肥大→代償性の破綻→細胞死」という運命をたどる。本研究では、これら一連の細胞挙動を統合的にとらえTRPCチャネルタンパクによる心筋細胞の運命決定制御について検討する。 平成24年度は昨年に引き続き、TRPC1関連タンパクSTIM1のノックアウトマウス(同マウスではTRPC1をかいしたストア作動性Ca流入が低下している)に大動脈縮窄による圧負荷をかけ、心筋細胞への影響を検討した。その結果、対照群では心肥大後期に心筋細胞肥大・細胞死に加え線維化が顕著に現れたが、K.O.マウスでは心筋細胞肥大のみならず線維化も著明に抑制されていた。そのメカニズムとして、TRPC1/STIM1→TIMPsのシグナルが働いている可能性を示し、TRPC1/STIM1系は慢性心負荷後の一連の細胞挙動で中心的役割を果たしていることを明らかにした。 また、TRPC1をターゲットとした新しい心不全治療を開発するため、その抑制薬の検討をおこなった。これまで、pyrazole誘導体以外ではsildenafilがTRPC6抑制作用を持っていることが報告されていたが、他のTRPCに対する作用は不明であった。私たちはラット心筋細胞にエンドセリンを投与した肥大細胞モデルを用いて、 sildenafilがTRPC6抑制作用を介してTRPC1の発現を制御、心筋細胞のストア作動性Ca流入を減少させ、結果的に心筋細胞肥大を抑制することを明らかにした。 これらの結果は、心肥大とその後のリモデリングにおいてTRPC1/STIM1系が主要な分子として働くことを示唆し、これら分子を治療標的とした新しい心不全治療開発につながるものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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