研究課題
[目的] ベータ遮断薬は心不全ならびに不整脈治療の代表薬であるが、導入初期の心機能と呼吸機能抑制という副作用は高齢者では大きな問題である。本申請では心臓型アデニル酸シクラーゼサブタイプ(AC5)欠損マウスの解析結果から、「AC5の選択的阻害薬は心機能や呼吸機能抑制を起こさず、高齢者にも安全に投与可能な心不全ならびに不整脈の治療効果が期待できる」という仮説をたて臨床応用を目指している。[方法と結果] 1)AC5特異的抑制作用を有する抗ヘルペス薬(ビダラビン)の臨床治験:平成23年度には横浜市立大学付属病院倫理委員会にて臨床治験が承認(B110512007)され、平成24年度は横浜市大病院心臓血管外科で術後心房細動症例に対して、ビダラビンの抗不整脈効果について医師主導型臨床治験が開始された。12症例中8例で有効性が確認された。本研究成果はPCT国際出願を行った(「ビダラビンによる心房細動治療」PCT/JP2012/069540)。2)水溶性ビダラビン誘導体の毒性試験と中枢移行性の検討:マウス心不全モデルで抗心不全作用が確認できるのに十分な投与量では肝機能や腎機能への障害は確認されなかった。またストレキニーネ抑制試験の結果からビダラビンに比較して新規化合物は有意に中枢への移行性が低いことを確認した。本研究成果はPCT国際出願を平成23年10月20日に行ったが、平成25年3月12日の知的財産審査委員会でJSTの支援が決定した(整理番号S2011-0050)。3) これまでの動物実験データの再現性の確認:平成23年度より開始した心不全ならびに不整脈マウスモデルのN数を増やし再現性を確認した。心不全モデルに関しては論文発表を行った(Am J Physiol Heart Circ Physiol 302, H2622-2628, 2012)。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Pharamacol Sci.
巻: 119 ページ: 381-389
doi:10.1254/jphs.12102FP
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~seiri1/