研究課題/領域番号 |
22590821
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 浩輝 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (80302222)
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研究分担者 |
佐藤 靖史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178779)
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キーワード | バソヒビン / 血管新生抑制因子 / 細胞の老化 / 動脈硬化 |
研究概要 |
vasohibin-1は血管新生刺激に反応して血管内皮細胞が自ら産生・分泌し、さらに自らに作用して血管新生を抑制する極めてユニークな分泌タンパクである。申請者はこれまでにvasohibin-1が内皮細胞において血管新生抑制作用の他に、SIRT1とsuperoxidedismutase-2(SOD2)を介して抗老化・抗細胞死作用を発揮し、内皮細胞の恒常性維持にも非常に重肇な:分子であることを見出してきた。vasohibin-1の内皮細胞の恒常性維持メカニズムについては(1)vasohibin-1がcell cycle dependent kiasel(CDK1)の発現とリン酸化を制御することによりCDK1の活性を制御し、そのCDK1がSIRTIをリン酸化する。(2)Vasohibin-1がSOD2の発現を介してROSの産生を制御する。(3)in vivoにおいてはvasohibin-1ヘテロマウスは正常マウスより、大量の活性酸素を発生するパラコートに対する抵抗性(生存率および肺の障害)が低いこと、さちにvasohibin-1ヘテロマウスにvasohibin-1アデノウイルスとコントロールアデノウイルスを投与するとvasohibin-1アデノウイルス群でパラコートに対して抵抗性が上昇することを明らかにした。現在、日本人の死因の上位を占める虚血性心疾患と脳血管疾患の主な原因は動脈硬化である。動脈硬化の主因に血管内皮細胞の老化と細胞死があり、それらを抑制することがこれらの疾患の防止につながると考えられる。この研究の目的であるvasohibin-1の動脈硬化抑制の可能性については(1)血管内皮緬胞においてvasohibin-1の発現をsiRNAでノックダウンすると接着分子ICAM-1の発現が増加し単球の内皮細胞への接着が増加すること、逆にアデノウイルスベクターでvasohibin-1を高発現させるとホモシスチンによるICAM。1の発現の増加を抑制し単球の内皮細胞への接着が減少することを明らかにした。in vivoにおいては現在、vasohibin-1(+/-)マウスとApoE(+/-)ノックアウトマウスを交配中であり、今後、vasohibin-1(-/-)/ApoE(-/-)マウスとvasohibin-1(+/+)/ApoE(-/-)マウスに高カロリー食を投与し大動脈のOil Red O染色等により動脈硬化の程度を比較解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
vasohibin-1による内皮細胞の恒常性維持機構は概ね解析が終了し、"Angiogenesis inhibitor vasohibin-1 enhances stress resistance of endothelial cells via induction of SOD2 and SIRT1"のタイトルで論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、vasohibin-1と動脈硬化との関連をvasohibin-1(-/-)/ApoE(-/-)マウスとvasohibin-1(+/+)/ApoE(-/-)マウスに高カロリー食を投与し体重、血中脂質および大動脈のOil Red O染色等に解析中であり研究期間の最後の1年で完成させる。
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