研究課題
本研究では、PGC-1alphaが代謝疾患と内皮機能障害を結ぶ内皮細胞内のメディエータであると仮説をたて、検討を行った。高血糖により、ヒトおよびマウス血管内皮細胞におけるPGC-1alphaが発現上昇した。糖尿病患者および糖尿病モデルマウスから分離した内皮細胞においても同様にPGC-1alphaの発現上昇が認められた。PGC-1alphaの発現上昇により、内皮細胞の遊走あるいは血管新生は抑制され、その結果、創傷治癒あるいは虚血血管新生が抑制された。一方、糖尿病モデルマウスにおいて創傷治癒あるいは虚血血管新生減弱していたが、内皮PGC-1alphaの欠損によりほぼ非糖尿病マウスと同等にまで回復が認められた。糖尿病におけるPGC-1alphaの発現上昇が、内皮機能障害の主要な機序であると考えられた。本検討により、内皮PGC-1alphaが糖尿病性重症下肢虚血の有用な治療標的となる可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biochem Biophys Res Commun.
巻: 433(1) ページ: 66-72
10.1016/j.bbrc.2013.02.064