研究課題
オステオプロテジェリン(OPG)ノックアウト・マウスを用いた大動脈瘤モデルに対して、スクリーニングとして種々の薬剤による介入を行った結果、瘤形成の抑制効果があるものとして eicosapentaenoic acid (EPA)が見いだされた。食餌へのEPA添加 により、中膜弾性線維の破壊が強く抑制され、石灰化も減少した。血管壁の破壊が抑制される機序として、メタロプロテアーゼ(MMP)を抑制する TIMP-1の発現上昇が関与している可能性が示唆された。野生型マウスで大動脈瘤形成時に OPG の発現が上昇することが、再現性を持って示され、OPGが障害を受けた血管で代償的に上昇している可能性が示唆された。現在、データを追加し投稿準備中である。冠動脈において、血管内エコー(IVUS)による画像取得と時相を揃えて観血的血圧を記録し、力学的特性を解析した。その結果、動脈硬化による力学的特性、特に弾性の変化は血管壁全周で一様ではなく、特に石灰化の影響を受けることが示唆された。また力学的特性のなかで、粘性のしめる割合が冠動脈においては比較的低いことが示された。更に、角度ごとの解析を進めている。血管の力学的特性を規定するファクターである血管内皮機能をこれまでよりも簡便かつ再現性よく測定できるシステムの開発に成功し、特許を出願した。大動脈瘤検査スクリーニング検査装置(実証タイプ)の開発を進めるなかで、脈波情報の収集と解析技術の向上が達成でき、特に背部から採取する生体脈波情報の取得が安定して行えるようになった。これにもとづきデータを収集・解析中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Arterioscler Thromb Vasc Biol.
巻: NA ページ: NA
Med Biol Eng Comput.
巻: 50 ページ: 1239-1247
10.1007/s11517-012-0955-z