研究概要 |
作製したヒトShort-isoform ABCG4コンストラクトを基にATP結合領域K108Mに変異導入したATP-mutant(mut)-ABCG4遺伝子をsite-directed mutagenesis法を用いて作製しヒトpcDNA3-1/Short-isoformmut-ABCG4コンストラクトを作製した.作製したShort-isoform ABCG4遺伝子を過性遺伝子導入および過剰発現恒常株をそれぞれ確立し,Short-isoform ABCG4の遺伝子導入細胞のウェスタンブロット解析の結果、このShort-isoform ABCG4は可溶型と考えられた.^3Hコレステロールを用い、ApoE、ApoA-I,HDL存在下にて、可溶性ABCG4遺伝子の哺乳細胞におけるApoA-I,ApoEおよびHDL依存性のcholesterol effluxへの関与を検討した結果,可溶型ABCG4は,HDL依存性cholesterol effluxを抑制した,可溶型ABCG4は,full-length ABCG4の持つHDL依存性efflux機能と競合し抑制した.ATP結合領域K108Mに変異導入したATP-mutant(mut)-ABCG4GFPタグ付加コンストラクトをCHO cellに過剰発現させるとwild typeと同様に細胞膜および核,細胞質にGFPシグナルを認めていた.この発現局在はwild typeと明らかな差は認めていなかった.さらに可溶性ABCG4のN末端,C末端にそれぞれFLAGタグ,Myc小Hisタグを付置したコンストラクトを作成を行った.そのコンストラクトを用いて,それぞれのタグによって免疫沈降法により他のトランスポーター,転写因子とのdimerizationの存在を検討した.その結果,可溶性ABCG4蛋白はABCG1,ABCG4蛋白とdimerizationをしていることが判明した.また,可溶化の蛋白プロセッシングに関して、各種プロテアーゼ阻害薬を用いて可溶化機構を検討すると,serine proteinase阻害薬にて顕著に可溶化が抑制されることから,serine proteinaseが新規可溶性ABCG4のN末端のプロセッシングに関与していると考えられた.
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