研究概要 |
作製したヒト野生型およびATP結合領域K108M変異導入Short-isoform ABCG4コンストラクトを用いて一過性遺伝子導入および過剰発現恒常株をそれぞれ確立した. Short-isoform ABCG4の遺伝子導入細胞のウェスタンブロット解析の結果、このShort-isoform ABCG4 は可溶型と考えられた. 可溶性 ABCG4のN末端,C末端にそれぞれFLAGタグ,Myc/Hisタグを付置したコンストラクトの作成を行った.そのコンストラクトを用いて,それぞれのタグによって免疫沈降法により他のトランスポーター,転写因子とのdimerization の存在を検討した結果,可溶性 ABCG4蛋白はABCG1,ABCG4蛋白とそれぞれダイマー形成をしていることが確認出来た.LXRα/β, RXRα, ApoEなどの脂質関連分子とのダイマー形成は認められていなかったが,full transporterであるABCA1とのダイマー形成がABCG1,ABCG4と同様に確認出来た. 大腸菌を用いて可溶性ABCG4の蛋白発現・精製系の確立を試みたが,目的蛋白の発現は認められなかった.そのため,哺乳動物由来細胞発現系へ変更しFreeStyle293F細胞を用いて,遺伝子導入4日後の培養上清における可溶性ABCG4蛋白発現をピークに可溶性ABCG4蛋白の発現に成功し蛋白発現・精製系を確立できた. JWウサギを用いたShort-isoform ABCG4のポリクローナル抗体の作製に成功し,この抗体を用いたShort-isoform ABCG4過剰発現細胞を用いたウェスタンブロットの他,健常者血清においてウェスタンブロットにて可溶性 ABCG4の蛋白発現の同定に成功した.
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