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2010 年度 実績報告書

炎症性閉塞性肺疾患発症に関わる危険因子の解明-前向きコホートによる包括的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 22590834
研究機関筑波大学

研究代表者

坂本 透  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50282356)

研究分担者 檜澤 伸之  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00301896)
野口 恵美子  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40344882)
キーワード前向き研究 / コホート / 肺機能検査 / 閉塞性肺疾患 / 遺伝子多型
研究概要

健診センターの人間ドック受診者から本研究参加者を1,505名募り、性別、年齢、体重、喫煙歴、既往歴、総IgE値、抗原特異的IgE、肺機能検査などのデータを抽出した。さらに全血よりゲノムDNAを抽出し、約60万ヶ所の遺伝子多型についてゲノムワイドにタイピングを行った。
本研究は"前向きコホート研究"であるが、研究開始時点のコホート臨床データ解析は必要である。また参加者の約80%が反復受診者であるため、経年変化などを後ろ向きに解析することも可能である。最初に、喘息、COPD、陳旧性肺結核などの肺疾患罹患者と肺機能検査で1秒率<70%の参加者を除外した1,369名について解析を行った。この集団を%1秒量<80%(217名)と≧80%(1,152名)の2群に分け臨床データを比較した。低1秒量群では高1秒量群よりも有意に喫煙指数が高かった。また低1秒量群のほうが1秒量の経年減少量が有意に大きく、この違いは喫煙の程度には関係なかった。従って肺機能正常者であっても低1秒量群では、前向き追跡をすると閉塞性肺疾患の発症率が高くなる可能性があると考えられた。さらに肺疾患罹患者を除外した全参加者において、喘息発症に関係すると報告されているTSLPと酸化ストレス防御系のNrf2の遺伝子多型について肺機能との関連を解析した。その結果、TSLPの2個の機能的一塩基多型(SNP)が%1秒量と1秒率に有意に関連し、またNrf2のイントロン1上のSNP(rs6726395)が経年的な1秒量の減少に関連していることが明らかになった。これらのSNPに変異を持つ個体が閉塞性肺疾患を発症し易いか否かについて前向きに検討を加える予定である。
前向き研究については、全参加者にアンケート用紙を郵送し、閉塞性肺疾患の発症について解析している。アンケートの返信率は約60%である。今後アンケートが返信されてきた集団について前向きに検討を加える予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Lower FEVI in non-COPD, non-asthmatic subjects : association with smoking, annual decline in FEV1, total IgE levels, and TSLP genotypes2011

    • 著者名/発表者名
      Hironori Masuko
    • 雑誌名

      International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease

      巻: VOL.60 ページ: 181-189

    • 査読あり
  • [学会発表] 健常成人の呼吸機能におけるTSLP遺伝子多型の検討2010

    • 著者名/発表者名
      増子裕典
    • 学会等名
      第60回日本アレルギー学会秋期学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京)
    • 年月日
      2010-11-27
  • [学会発表] 1秒率正常者における%1秒量の意義について2010

    • 著者名/発表者名
      増子裕典
    • 学会等名
      第50回日本呼吸器学会総会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2010-04-24

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公開日: 2012-07-19  

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