研究概要 |
エリスロポイエチンによるCOPDモデルマウスを用いて、COPDに対する肺組織修復における再生治療の有効性の検討性を検討する研究を行った。C57BL/6マウスにブタ膵エラスターゼをマイクロスプレーヤーを用いた経鼻的な投与によりCOPDモデルマウスを作成した。Sham群(生食投与群)、PPE(エラスターゼ投与群)、低容量のエリスロポイエチン投与群(lowEPO群)、高容量のエリスロポエチン投与群(highEPO群)を作成した。COPDマウスはPPE投与3日後、7日後、28日後に肺胞洗浄を施行後(BAL),Sacrificeにてsham群との比較評価を行った。7日目以降のCOPDマウスはsham群のマウスに比較して、肺包壁の拡張、肺胞壁の破壊の所見を認め、評価項目である、Destroyed IndexおよびMean Liner Interceptの増加を認めた。またCOPDに対するエリスロポイエチンの有効性の評価を行うためにCOPDマウスをPPE投与24時間後投与群および、PPE投与28日後投与群に分けてlowおよびhigh投与量のエリスロポエチンの投与を行い、COPDマウスに対するエリスロポイエチン投与の予防的および治療的な有効性の検討を行った。また、別の実験系としてCOPD様肺病変を来す、遺伝子改変老化モデルマウス(klothoマウス)に対してもエリスロポエチン投与による有効性の検討を行った。現在、研究は進行中で未だ有効性は明確ではないが、今後、sham群とPPE群、lowEPO群、highEPO群における、肺組織のHE染色、呼吸機能の評価、HRCT検査を行い、EPOの有効性が確認された場合、免疫組織染色、蛍光組織染色、DNA蛋白等の抽出を行い、有効なメカニズムの解析を行う予定である。
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