• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

エラスターゼ誘起性杯細胞化生モデルを用いたCOPD過分泌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22590844
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

近藤 光子  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50178430)

キーワードエラスターゼ / 杯細胞化生 / ムスカリン受容体 / チオトロピウム / 気道炎症 / MUC5AC
研究概要

C57/BL6マウスを用いて気道内に好中球エラスターゼを反復投与して杯細胞化生モデルを作成し、ムスカリン受容体阻害薬(tiotropium)の吸入により抑制されるか、病理組織および気管支肺胞洗浄の細胞解析とELISA法による炎症性メディエーターの解析を行った。またムスカリン受容体(M_3)の発現を病理組織の免疫染色により検討した。In vitroの実験ではNCI-H292細胞を用いてムスカリン受容体の発現を証明し、エラスターゼ刺激によるムチン(MUC5AC)産生に与えるムスカリン受容体阻害薬の効果も検討した。その結果、エラスターゼ誘起性杯細胞化生と気道周囲の炎症細胞浸潤はtiotropiumで抑制され、また気管支肺胞洗浄液中の好中球、好酸球細胞数の増加もtiotropiumで抑制された。また気管支肺胞洗浄液中のKC、ロイコトリエンB4の増加はtiotropium投与により有意に抑制された。さらに気道上皮細胞、炎症細胞にM3受容体の発現が認められたが、tiotropiumの投与により発現が低下した。エラスターゼ誘起性杯細胞化生が確立した後にtiotropiumを投与しても、杯細胞化生の抑制効果が認められた。In vitroの検討ではNCI-H292細胞はM3受容体を発現しており、MUC5AC産生はエラスターゼ投与により増加したが、tiotropiumの投与により抑制された。以上の結果から、ムスカリン受容体阻害薬tiotropiumはエラスターゼ誘起性杯細胞化生を炎症の抑制と気道上皮細胞への直接作用により抑制することが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of neutrophil elastase-induced goblet cell metaplasia by tiotropium in mice2010

    • 著者名/発表者名
      Arai N., Kondo M., et al
    • 雑誌名

      Eur Respir J

      巻: 35 ページ: 1164-71

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ウイルス感染と気道炎症の増悪(2)-COPDはなぜ悪化するのか2010

    • 著者名/発表者名
      近藤光子
    • 雑誌名

      The Lung perspectives

      巻: 14 ページ: 358-361

  • [雑誌論文] 喘息とCOPDの合併/境界例の治療2010

    • 著者名/発表者名
      近藤光子
    • 雑誌名

      呼吸器内科

      巻: 18 ページ: 240-246

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi