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2012 年度 実績報告書

エラスターゼ誘起性杯細胞化生モデルを用いたCOPD過分泌治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22590844
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

近藤 光子  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50178430)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードエラスターゼ / MUC5AC / フォスフォジエステラーゼ4 / 杯細胞化生 / COPD
研究概要

昨年度は、粘液産生能を有するNCI-H292細胞にM3受容体が存在し、カルバコール刺激による粘液産生亢進がムスカリン受容体阻害薬のチオトロピウムにより抑制されること、またエラスターゼ刺激による粘液産生亢進もチオトロピウムやイプラトロピウムにより抑制されることを明らかにした。
本年度はin vitroの系を用いて、COPDの治療薬として期待されているフォスフォジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬のエラスターゼ刺激による粘液産生への影響について検討した。PDE4阻害薬としては現在臨床使用が可能なイブジラストを用いた。方法はNCI-H292細胞をイブジラスト存在下にエラスターゼで刺激し、その細胞溶解液中のMUC5AC濃度をELISAで測定した。その結果、イブジラストはエラスターゼ刺激によるMUC5AC産生亢進を有意に抑制した。またイブジラストはエラスターゼ刺激後の細胞内cAMP濃度を有意に増加させた。同様に細胞外から投与した8-Br-cAMPもエラスターゼ刺激後のMUC5AC 産生亢進を有意に抑制した。以上のことから、イブジラストは細胞内cAMPの増加を介してエラスターゼ刺激後の粘液産生を抑制することが示された。
次に粘液分泌反応に対するエラスターゼ阻害薬の効果もin vitroで検討した。気道上皮細胞の初代培養で成熟した粘液顆粒を有する杯細胞化生培養系を作成した。エラスターゼ刺激により杯細胞の粘液顆粒は脱顆粒することを電顕で証明した。さらにエラスターゼ阻害薬はこの反応を抑制した。
COPDにおける過分泌はその予後に影響を与えることが報告されている。本研究を通して、ムスカリン受容体阻害薬、PDE4阻害薬、エラスターゼ阻害薬などがCOPDの過分泌治療薬としての作用が期待できることが示された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Niflumic acid inhibits goblet cell degranulation in a guinea pig asthma model.2012

    • 著者名/発表者名
      Mitsuko Kondo
    • 雑誌名

      Allergology International

      巻: 61 ページ: 133-142

    • DOI

      10.2332/allergolint.11-OA-0307

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 医療と医学の最前線 気道分泌の管理と治療2012

    • 著者名/発表者名
      近藤光子
    • 雑誌名

      日本内科学会雑誌

      巻: 101 ページ: 3525-3532

  • [雑誌論文] 喘息治療の薬理遺伝学2012

    • 著者名/発表者名
      近藤光子
    • 雑誌名

      最新医学

      巻: 67 ページ: 84-89

  • [学会発表] Niflumic acid inhibits antigen- and histamine-induced goblet cell degranulation in a guinea pig asthma model.

    • 著者名/発表者名
      Mitsuko Kondo
    • 学会等名
      American Thoracic Society International Conference
    • 発表場所
      San Francisco, USA
  • [学会発表] COPD随伴症状としての慢性咳嗽および気道過分泌の病態に関する研究

    • 著者名/発表者名
      近藤光子
    • 学会等名
      厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 呼吸不全に関する調査研究班 平成24年度第2回総会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2014-07-24  

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