研究課題/領域番号 |
22590860
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坪井 知正 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (00536724)
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研究分担者 |
陳 和夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (90197640)
堀内 久徳 東北大学, 加齢研究所, 教授 (90291426)
星野 勇馬 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378746)
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / 遺伝子多型 / heme oxygenase-1 / 間欠的低酸素 / 持続的低酸素 / 酸化ストレス |
研究概要 |
睡眠時無呼吸における遺伝子多型について、TNF-α,GPIIIa,PEAR-Iを候補遺伝子と考え計画を進めてきた。最近、低酸素曝露によって生成される酸化ストレスを制御する蛋白質としてheme oxygenase-1(HO-1)蛋白およびそれをコードする遺伝子HMOX-1が注目されている。そこで、従来の計画に加えHMOX-1遺伝子も候補遺伝子として追加することとした。HO-1は低酸素等で誘導される酵素蛋白であり、Heme代謝経路を活性化し、抗炎症作用、血管拡張作用のある一酸化炭素、抗酸化作用のあるビリルビンを産生することで、酸化ストレスに対する防御機構を担う。酸化ストレスは動脈硬化病変の主要な惹起・促進因子と考えられており、HO-1蛋白誘導は心血管障害や脳血管障害の発症に対し防御的に働くと考えられている。平成22年6月11日に本研究関連書類を提出し、8月18日に倫理委員会より承諾を得、京大病院通院中の睡眠時無呼吸患者より血液検体を回収・蓄積している。2012年4月12日現在において、237人の患者より血液検体を採取し遺伝子の抽出を完了している。今後も症例数を増やすとともに、上記の遺伝子多型の解析およびその遺伝子多型と臨床情報との関連を検討していく予定である。 細胞の低酸素曝露機はようやく安定に稼働し、持続的低酸素、間欠的低酸素作成が可能となった。その概要はEffects of intermittent hypoxia on several parameters for cardiovascular risk factors.としてWorldsleep2011. Kyoto, Japan, 2011.10.18にIndustrial Symposium 4 : Metabolic risk of sleep apneaにおいて研究分担者が発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理委員会通過まで約4か月の期日が要し、200名以上の患者数の確保に時間を要した。低酸素曝露装置も安定した一定濃度の低酸素を維持する技術に相当数の日数が要したため、進展がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今少し、症例数を増加させた後に、遺伝子多型解析牽行う予定である。低酸素曝露装置については、種々のバイオマーカを分泌する細胞を培養しつつあり、順次、睡眠時無呼吸にみられる、持続的低酸素、間欠的低酸素の生理学的意義を解明する予定である。
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