研究課題
閉塞型睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)における遺伝子多型について、低酸素曝露によって生成される酸化ストレスを制御する蛋白質としてheme oxygenase-1(HO-1)蛋白およびそれをコードする遺伝子HMOX-1が注目されている。そこで、従来の計画に加えHMOX-1遺伝子も候補遺伝子として追加することとした。HO-1は低酸素等で誘導される酵素蛋白であり、Heme代謝経路を活性化し、抗炎症作用、血管拡張作用のある一酸化炭素、抗酸化作用のあるビリルビンを産生することで、酸化ストレスに対する防御機構を担う。酸化ストレスは動脈硬化病変の主要な惹起・促進因子と考えられており、HO-1蛋白誘導は心血管障害や脳血管障害の発症に対し防御的に働くと考えられている。2013年3月31日現在において、306人の患者より血液検体を採取し遺伝子の抽出を完了した。2012年度より、一般住民群より睡眠時無呼吸を有さないコントロール群からの遺伝子抽出を行い、睡眠時無呼吸を有する群との遺伝子多型の比較を検討している。今後も症例数を増やすとともに、上記の遺伝子多型の解析およびその遺伝子多型と臨床情報との関連を検討していく予定である。CO濃度測定装置により呼気CO濃度を測定したところ、Peripheral Arterial Tonometryにて測定した血管内機能障害がみられるOSA患者の呼気CO濃度は有意に高く、HO-1に関する我々の仮説が正しいことが示唆された。また、基礎的研究である細胞の低酸素曝露機はようやく安定に稼働し、持続的低酸素、間欠的低酸素作成が可能となった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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