水素分子による抗酸化力を利用した肺疾患の新しい治療と予防

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22590873
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 呼吸器内科学
• 研究機関: 日本医科大学
• 研究代表者: 寺崎 泰弘 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50332870)
• 研究分担者: 大澤 郁朗 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (30343586) ; 福田 悠 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60097037) ; 寺崎 美佳 日本医科大学, 医学部, 助教 (50372785)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: 酸化ストレス / 水素還元力 / 呼吸器疾患

研究概要

多様な呼吸器疾患の病態には酸化ストレス関与が強く示唆されているが、水素分子(H2)の抗酸化作用はハイドロキシラジカル(-OH)などの酸化力が強い活性酸素種への選択的還元性と高い生体膜通過性を特徴としている。今回-OHが主な傷害活性酸素種である放射線肺障害やイレッサ薬剤性肺障害モデルとなる培養細胞、マウスを用いたモデル実験においてH2処理はいずれも抗酸化、傷害抑制効果をもたらした。副作用の少ない独創的な抗酸化剤としてその臨床応用が期待される。

研究成果

• [雑誌論文] 神経系における水素分子の抗酸化,抗炎症作用:研究の現状 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗
  • 雑誌名: Clinical Neuroscience 巻: 30 ページ: 1320-1321
• [雑誌論文] 水素分子の生理作用と水素水による疾患防御 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗
  • 雑誌名: 日本老年医学会雑誌 巻: 35 ページ: 680-688
  • 査読あり
• [雑誌論文] Hydrogen therapy attenuates irradiation-induced lung damage by reducing oxidative stress (2011)
  • 著者名/発表者名: Terasaki Y, Ohsawa I, Terasaki M, Takahashi M, Kunugi S, Dedong K, Urushiyama H, Amenomori S, Kaneko-Togashi M, Kuwahara N, Ishikawa A, Kamimura N, Ohta S, Fukuda Y
  • 雑誌名: Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 巻: 301(4) ページ: L415-26
  • 査読あり
• [雑誌論文] Molecular hydrogen improves obesity and diabetes by inducing hepatic FGF21 and stimulating energy metabolism in db/db mice (2011)
  • 著者名/発表者名: Kamimura, N., Nishimaki, K., Ohsawa, I., Ohta, S
  • 雑誌名: Obesity 巻: 19 ページ: 1396-1403
  • 査読あり
• [雑誌論文] 水素分子医学の現状と展望 (2011)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗
  • 雑誌名: 基礎老化研究 巻: 35 ページ: 1-7
  • 査読あり
• [雑誌論文] Rapid Diffusion of Hydrogen Protects the Retina: Administration to the Eye of Hydrogen-Containing Saline in Retinal Ischemia-Reperfusion Injury (2010)
  • 著者名/発表者名: Oharazawa, H., Igarashi, T., Yokota, T., Fujii, H., Suzuki, H., Machide, M., Takahashi, H., Ohta, S., and Ohsawa, I
  • 雑誌名: Invest.Ophthalmol. Vis. Sci 巻: 51 ページ: 487-492
  • 査読あり
• [学会発表] Molecular hydrogen as a radioprotector: Possible mechanisms of hydrogen antioxidant activity (2013)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗
  • 学会等名: 第90回日本生理学会大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20130327-29
• [学会発表] Control by the hydrogen water of pulmonary damage by antineoplastic drug gefitinib (2013)
  • 著者名/発表者名: Suzuki T, Hideo Kawaguchi H, Ohsawa I
  • 学会等名: 国際シンポジウム「水・海洋・地球環境-俯 瞰的に考えるための知的体験」
  • 発表場所: 群馬県板倉& 東京
  • 年月日: 20130316-19
• [学会発表] 水素水による抗がん剤ゲフィチニブの副作用抑制 (2013)
  • 著者名/発表者名: 鈴木徹也、寺崎泰弘、川口英夫、大澤郁朗
  • 学会等名: 第3回分子状水素医学シンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20130209-10
• [学会発表] 分子状水素によるNrf2を介した酸化ストレス抑制機構 (2013)
  • 著者名/発表者名: 村上弥生、大澤郁朗
  • 学会等名: 第3回分子状水素医学シンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20130209-10
• [学会発表] ガスメディエーターである水素分子の最新科学 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗
  • 学会等名: 第6回電解水透析研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2013-02-02
• [学会発表] 水素分子による酸化ストレス防御の分子機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗、村上弥生
  • 学会等名: 第12回日本ミトコンドリア学会年会
  • 発表場所: 筑波
  • 年月日: 20121219-21
• [学会発表] 分子状水素による酸化ストレス抑制の分子機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗、村上弥生
  • 学会等名: 日本基礎老化学会第35回大会
  • 発表場所: 船橋
  • 年月日: 20120726-27
• [学会発表] Molecular Hydrogen Medicine: Possible Mechanisms of Hydrogen Antioxidant Activity (2012)
  • 著者名/発表者名: Ohsawa I, Murakami Y, Aoki S, Tanaka M
  • 学会等名: Annual Conference of the Korean Society for Gerontology, the 12th Korea-Japan Joint symposia
  • 発表場所: Osong, Republic of Korea
  • 年月日: 20120614-15
• [学会発表] 分子状水素による放射線障害抑制とその分子機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大沢郁郎、寺崎泰弘、村上弥生
  • 学会等名: 第2回分子状水素医学シンポジウム
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20120200
• [学会発表] 眼科領域における水素水の可能性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大澤郁朗
  • 学会等名: 第6回眼抗加齢医学研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2012-09-16
• [学会発表] 抗酸化力を利用した水素分子治療による放射線肺障害の抑制 (2011)
  • 著者名/発表者名: 寺崎泰弘、寺崎美佳、漆山博和、雨森俊介、福田悠
  • 学会等名: 日本病理学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20110400
• [学会発表] Hydrogen therapy attenuates radiation-induced pulmonary injury in C57/Bl6 mice through reducing oxidative stress (2010)
  • 著者名/発表者名: Terasaki Y, Ohsawa I, Terasaki M, Kang D, Kuwahara N, Ishikawa, A, Takahashi M, Kunugi S, , Fukuda Y
  • 学会等名: ATS International Conference
  • 発表場所: New Orleans, USA
  • 年月日: 20100500
• [図書] 抗酸化力を利用した水素分子治療による肺障害の抑制と応用びまん性肺疾患に関する調査研究平成24年度研究報告書 (2013)
  • 著者名/発表者名: 寺崎泰弘、鈴木徹也、大澤郁朗、漆山博和、寺崎美佳、高橋美紀子、功刀しのぶ、石川吾利美、桑原尚美、福田悠
  • 総ページ数: 335-344