研究課題/領域番号 |
22590880
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
稲城 玲子 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (50232509)
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研究分担者 |
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90311620)
和田 健彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90447409)
大瀬 貴元 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10568447)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス / 尿細管 / UPR経路 / 虚血 / 酸化ストレス / 翻訳制御 / microRNA / 腎臓病 |
研究概要 |
ヒト由来の近位尿細管上皮細胞株(HK-2)を用いて、低酸素-再酸素化を行う酸化ストレス群、およびtunicamycinもしくはthapsigargin処理を行う小胞体ストレス群におけるmiR microarray解析を施行し、ストレスによって発現変動するmicroRNA(miR)群の同定、それらの病態生理学的意義の解析を遂行してきた。その結果、両ストレスよって発現が低下するmiR-205を同定し、その病態生理学的解析から、1)miR-205を過剰発現させたHK-2は酸化ストレスや小胞体ストレスに対し抵抗性(細胞生存率の増加、細胞修復能の亢進)を示し、2)miR-205発現を抑制するとストレス感受性(細胞生存率の低下、細胞増殖の抑制、細胞内ROSの増加)を示すことを明らかにしてきた。事実、miR-205の低下は抗酸化酵素群(SOD1, HO-1)の発現低下を伴っていた。 そこで本年度は、miR-205の標的遺伝子をin silico解析や、HK-2の発現遺伝子プロファイル(microassay解析)を比較検討したところ、prolyl hydroxylase (PHD)1の翻訳制御に有意に関与することが判明した。 PHD1は低酸素応答経路の転写因子HIF、及び小胞体ストレス応答経路の転写因子ATF4の蛋白分解を司る分子である。よって、miR-205の低下でPHD1の発現が亢進すると、HIFやATF4の蛋白分解が亢進することでそれらの発現が低下し、その結果、HIFやATF4の下流遺伝子である抗酸化酵素群の発現を低下することが明らかにされた。 以上のことから,尿細管細胞においてストレス障害時にmiR-205が低下するとPHD1蛋白発現が亢進し、それによる低酸素応答経路や小胞体ストレス応答経路の不均衡が尿細管細胞の機能恒常性を破綻させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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