研究課題/領域番号 |
22590884
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
藤垣 嘉秀 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20283351)
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研究分担者 |
安田 日出夫 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60432209)
藤倉 知行 浜松医科大学, 医学部, リサーチアシスタント (00444349)
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キーワード | 再生 / 急性腎不全 / 近位尿細管細胞 / 細胞分裂 |
研究概要 |
酢酸ウラニウム誘発ラット急性腎不全モデルにおいてS3セグメント遠位領域に存在する初期再生細胞群(標的細胞)が、近位尿細管S3セグメントの激しい障害後の修復を担う前駆様細胞である可能性をさらに明らかにするためin vivoでの局在、分裂様式の検討をした。急性腎不全をSDラットに酢酸ウラニウム(1mg/kg、0.2mg/kg或いはvehicle)静注にて惹起し、それぞれ初期再生細胞出現時に屠殺した。分裂期での細胞回転の停止と初期再生細胞を効率よく観察する目的に、屠殺12時間前にvincristine 1mg/kgを投与し、S期細胞マーカーのbromodeoxyuridin(BrdU)40mg/kgも続けて腹腔内投与した。また、酢酸ウラニウム、vincristineを投与しない正常群も作成した。 Vehicle群では、正常群に比して近位尿細管に散在性にBrdU陽性細胞を多く認め、vincristineによる分裂期での細胞回停止効果が確認された。軽い障害を惹起する酢酸ウラニウム0.2mg/kg投与群では、BrdU陽性細胞の増加を認めた。激しい障害を惹起する酢酸ウラニウム1mg/kg投与群では、S3セグメント遠位領域でのBrdU陽性細胞の増加を認め、他の領域に比して不等円形の核にもBrdU陽性が観察された。 これらは、標的細胞が不等分裂する可能性すなわち前駆様細胞である可能性を示唆しており、今後、形質や超微形態を検討することで尿細管再生に関しての有用な情報を得ることができると考えている。
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