研究課題
まず、IgA腎症患者の扁桃特異的細菌叢の同定を行った。大阪大学腎臓内科にて腎生検を行い診断が確定し扁桃摘出ステロイドパルスを行った患者は、およそ80名おり、このうち既に治療後2年経過し、扁桃摘出およびステロイドパルス療法により完全寛解に至った患者は25名である。また、同治療では残念ながら寛解に至らなかった患者がおよそ20名いる。また、コントロールとして慢性扁桃炎にて扁桃摘出を行った患者の扁桃の組織は25名分現在保存している。これらの扁桃に特異的な細菌叢をDDGE法を用いて検出を行った。さらにIgA腎症群で有意に検出率の高い細菌に相当するバンドを切り出してシーケンスを行うことで菌種の同定を行いTreponema sp.,Haemophilus segnis,Campylobacter rectusであることが同定された。さらに扁桃摘出の術前評価に向けて扁桃のぬぐい液での検出法の確立を行っており、具体的には扁桃のぬぐい液を用いて、決定された細菌叢にと区的なプライマーを用いてPCRを行うことで同定する方法の確立を行い、予備実験で少数で検出が可能であることを確認した。また、IgA腎症患者の扁桃特異的細菌叢と扁桃摘出+ステロイドパルス療法の治療効果との関連性についての検討を行い、Treponema sp.,Campylobacter rectusが、扁桃摘出+ステロイドパルス療法の治療効果と強い相関があり、治療予測能があることを確認した。この結果を、国内および国外の特許申請するとともに論文投稿準備中である。
2: おおむね順調に進展している
IgA腎症患者の扁桃特異的な細菌叢の同定が終わり、予想どおり治療効果と強い相関が認められた。
IgA腎症患者の扁桃特異的な細菌叢の、扁桃ぬぐい液での検出を確立する。また、今回検出したのと別の患者層で、治療効果と相関するか、あるいは検出率がどの程度かなどを前向きに検討していく。また、これらのIgA腎症患者の扁桃特異的な細菌であるTreponema sp.,Campylobacter rectusを用いて感染実験を行い、IgA腎症が惹起出来るか検討していく
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