研究課題/領域番号 |
22590899
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
本島 英 東海大学, 医学部, 講師 (80468636)
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研究分担者 |
松阪 泰二 東海大学, 医学部, 准教授 (50317749)
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キーワード | Foxc1 / Foxc2 / 転写因子 / ポドサイト / 分化 / 糸球体硬化 |
研究概要 |
腎糸球体ポドサイトの分化および糸球体硬化症の発症におけるFoxc1、Foxc2転写因子の役割を明らかにするために、各種ノックアウトマウス(KO)の導入および作製を試みている。 Foxc1 KOマウスで発生するDuplex kidneyにおいて、異所性尿管芽に由来する上側の腎臓の組織像を検討したが、正常尿管芽由来の下側の腎臓わよび野生型マウスの腎臓との違いは認められなかった。さらに、ネフロン各セグメントのマーカーであるネフリシ、メガリン、アクアポリン1、およびTamm-Horsfall蛋白の発現パターンも下側の腎臓と変わりがなく、異所性尿管芽形成だけでは腎実質の発生異常は起こらないものと考えられた。以上の結果は米国腎臓学会において報告した。 Foxc2 KOマウスについては、交配を繰り返してホモ変異マウスの作製中である。FoXc1 conditional KOについては、Nephrin-Creとの交配により、ポドサイト特異的KOマウスの作製が可能となった。 Foxc1およびFoxc2の下流で働く因子を同定するため、培養ポドサイトにこれらの転写因子を過剰発現させる系とノックダウンする系を構築中である。これらの因子の発現ベクターもしくはノックダウンベクターを培養ポドサイトに導入すると、導入された細胞が死滅してしまうことが分かった。この原因がこれらの因子の発現量に起因するものなのか、遺伝子導入による毒性等の実験手技上の問題なのか検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
KOマウスの作製に思ったより時間がかかっている。Foxc2マウスは胎仔数が少ない、新生仔の段階で全部死滅した、親マウスが体調不良で育児放棄した等の原因により、予定の繁殖数が確保できていない。Foxc1 conditional KOマウスは、導入時の清浄化に時間がかかってしまい、実験の開始が遅れている。 培養ポドサイトへの遺伝子導入の効率が悪いために、実験結果の解釈に困難が付きまとっている。
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今後の研究の推進方策 |
予定している変異マウスを可能な限り早く作製し、予定の解析を行う。 培養ポドサイトへの遺伝子導入方法の確立、および各ベクターの変更により、安定的した遺伝子発現系を構築する。
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