研究課題/領域番号 |
22590901
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
池森 敦子 (上條 敦子) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80350635)
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研究分担者 |
菅谷 健 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 客員教授 (40381561)
木村 健二郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00161555)
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キーワード | アンジオテンシンII / 脂肪酸結合蛋白 / 高血圧 / 腎疾患 / 治療 |
研究概要 |
高血圧性腎障害(腎硬化症)は、血液透析導入原因疾患の第3位であり、増加の一途をたどっている。慢性透析患者数の増加の原因となっている。腎臓に発現している肝臓型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)が、高血圧性腎障害の進行を抑制することについて、遺伝子改変動物を用いた基礎的研究により明らかにする。 方法:高血圧性腎障害モデルを作成するために、ヒトアンジオテンシンIIを浸透圧ポンプに注入し、野生型(Wt)マウスおよびL-FABP Tgマウスの皮下に植えこみ、5%食塩食負荷を行った。血圧測定を1,2,3,4週後に行い、同時に代謝ケージを用いてで採尿し、尿中アルブミン・クレアチニン・L-FABPをELISAで測定した。4週後に腎臓を摘出し、腎組織障害の程度をHE染色/PAS染色を行い評価した。また、腎臓から遺伝子・蛋白抽出を行い、炎症性サイトカインの発現を検討した。 結果:アンジオテンシンII投与および食塩食負荷により、Tgマウスにおける腎臓でのL-FABPの遺伝子・蛋白発現は、有意に高値であり、尿中へのL-FABP排泄の増加が観察された。血圧、尿中アルブミン排泄量、腎臓でのMCP-1発現は、アンジオテンシンII投与のWtマウスおよびTgマウスでコントロールに比べ、有意に上昇した。血圧,尿中アルブミン排泄量はWtマウスとTgマウスで同程度であった。一方、尿NAG排泄量、MCP-1発現、コラーゲン発現、形態学的検討では、TgマウスでWtマウスより尿細管間質障害の程度が有意に軽減していた。WtマウスよりTgマウスのほうが、死亡率が低かった。 考察:高血圧による尿細管間質障害モデルを作成するために、アンジオテンシンII投与に加え、5%食塩食負荷を行い、高血圧と腎障害を安定して惹起できた。また、Tgマウスにおける腎保護作用を証明でた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高血圧性腎障害モデルを安定して作成できる条件を確立した。高血圧性腎障害によるL-FABPの腎保護効果を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、アンジオテンシンII投与に加え、5%食:塩食負荷を行うことで、高血圧性腎障害を惹起でき、安定した病態モデルを作成しえた。さらに、Tgマウスにおける腎障害の軽減も証明できた。そこで、今年度は、別の高血圧モデルである食塩感受性高血圧モデル(deoxycorticosterone acetate(DOCA)を投与)においてもL-FABPの腎保護作用を検討する。
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