研究課題/領域番号 |
22590901
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
池森 敦子(上條敦子) 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (80350635)
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研究分担者 |
木村 健二郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00161555)
菅谷 健 聖マリアンナ医科大学, 医学部, その他 (40381561)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | L型脂肪酸結合蛋白 / 腎疾患 / 治療 / 尿細管間質障害 |
研究概要 |
食事の欧米化および高齢化社会により、高血圧に伴う腎硬化症が増加しており、現在透析導入原因疾患の第4位となっている。そのため、降圧治療が重要であるが、それだけでは腎機能障害の進行が抑制されないのが現状である。私たちは、ヒト腎臓の近位尿細管に発現している肝臓型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)に注目し、L-FABPの腎保護作用について報告してきた。本研究では、高血圧性腎障害におけるL-FABPの役割について、アンジオテンシンII(Ang II)投与による腎障害モデルを用いて、検討した。野生型(WT)マウスの腎臓には、L-FABPが発現していないため、ヒトL-FABP染色体遺伝子導入(Tg)マウスを樹立し、腎障害の程度をWTマウスと比較した。Ang IIを浸透圧ポンプに充填し、マウスの皮下に埋め込み、4週間後に腎臓を摘出した。Ang II投与による高血圧の程度は、WTマウスとTgマウスで同程度であった。WTマウスの腎被膜直下の皮質において、尿細管障害、間質線維化、マクロファージ浸潤を認めたが、Tgマウスでは有意に軽減していた。Tgマウスの腎臓でのL-FABPの遺伝子・蛋白発現は、Ang II受容体の発現部位と一致して増加した。腎臓の過酸化脂質の程度は、WTマウスで上昇したが、Tgマウスでは、有意に抑制されていた。これらの結果から、高血圧性腎障害モデルにおいて、腎臓のL-FABPは、その発現を増加させ、血圧非依存性の腎保護作用を有することが示された。今後、L-FABP発現増強薬による腎疾患治療薬の開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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