研究課題/領域番号 |
22590905
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
伊藤 孝仁 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 研究員 (60362703)
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研究分担者 |
野出 孝一 佐賀大学, 医学部, 教授 (80359950)
安武 健一郎 西九州大学, 健康福祉学部, 助教授 (00516726)
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キーワード | CKD / 慢性腎臓病 / PTH / FGF23 / 栄養指導 |
研究概要 |
末期腎不全(透析導入)を予防するのみならず腎機能低下に伴う血管系や骨組織の合併症を予防するためには総合的アプローチが必要である。その一環として、食事栄養面からの介入は、医薬品治療に進む以前の治療として、あるいは併用治療として再評価するべきものである。一方、食事介入を行う上で日常的に利用できるスキルとして広く確立あるいは普及したものは存在しない。近年、カルシウム・リン代謝異常の管理が重要視される中、医師一患者間で利用できる実践的方法を開発することが本研究の目的である。我々が開発する食事管理ツールの簡便さと有用性が明らかとなれば、日常の腎臓内科診療に新しい介入手段を提供することとなり、結果的に慢性腎疾患患者の予後改善につながるはずである。 本年度は開発したツールを「リンビンゴ」として普及をはかるために、全国的に配布できる体制を整え、要望のある維持透析施設に対しては、透析患者のリン摂取量管理ツールとして提供を行った。一部の施設からは使用実績に関する学会報告を行い、患者診療レベルの向上に寄与したとともに、透析患者の血管合併症を抑制するための新たな知見を得るに至った。保存期CKD患者に対してはリンビンゴを用いた教育指導を継続的に施行中である。傾向として、やはり摂取管理が徹底しているほうが腎機能低下の進行を抑制できるという印象を受けているものの、血管合併症に対する影響は評価が困難と感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
食事療法に対するアドヒアランス維持が困難である。リンビンゴの簡便性は、一方で単純ゆえに患者を飽きさせやすいという欠点ともなっている。
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今後の研究の推進方策 |
食事療法の必要性や重要性について患者の意識付けを継続する。
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