研究課題
WinROOF software (Mitani, Fukui, Japan) を用いて腎組織における光学顕微鏡上200倍の視野における組織学的変化についての定量化を改めて行った。線維化に関しては、1腎臓毎に20カ所をランダムに選択し、1視野当たりの線維化面積の割合をIndexとして算出した。尿細管の萎縮に関しては、1腎臓毎に10カ所をランダムに選択し、1視野当たりの萎縮尿細管数の全尿細管数に対する割合をIndexとして算出した。この結果、線維化IndexはWild-Saline、Wild-Ang II、GC-A-KO-Salineが2%~4%台であるのに対して、GC-A-KO-Ang IIでは10%以上に及び、この線維化亢進はヒドララジン投与による血圧コントロールで抑制されなかった。尿細管萎縮IndexはWild-Saline、Wild-Ang II、GC-A-KO-Salineが各々0~2%台であるのに対して、GC-A-KO-Ang IIでは10%以上に及び、この尿細管萎縮の亢進はヒドララジン投与による血圧コントロールで抑制されなかった。また、マイクロスフェア法を用いて腎血流量の定量評価を行った。GC-A-KO miceにおいてWild miceと比較して腎血流量は有意に低下していた。昨年度までの分子生物学的検討結果も合わせて、内因性Na利尿ペプチドは、Ang II投与による腎臓の尿細管萎縮や線維化および尿細管細胞や線維芽細胞の形質変換を抑制するが、その機序のひとつとして腎組織の血流維持に果たす役割が関与している可能性が示唆された。さらに、FITC-Dextranを尾静脈より注入し、共焦点レーザー顕微鏡にて腎臓表面直下の腎微小血管数と血管径を定量評価し、内因性Na利尿ペプチドの腎微小循環維持への役割について解析を検討中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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心エコ- Journal of Clinical Echocardiography
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10.1038/ajh.2012.113.