研究課題
代謝・寿命と関連する因子であるSirt1が、マウスにおけるストレプトゾシン誘発性糖尿病性腎症の発症において、近位尿細管のSirt1発現低下が起こり、それに伴い糸球体上皮におけるclaudin-1の発現増加ならびに蛋白尿が出現する。一方、近位尿細管にSirt1を過剰発現させたマウスに対して、ストレプトゾシン誘発性糖尿病を作製すると、糸球体上皮におけるSirt1の発現は維持され、それに伴いclaudin-1発現亢進の抑制、ならびに蛋白尿の抑制が観察された。いかにして、近位尿細管でのSIRT1が糸球体上皮に影響を与えるかについては、その物質同定は現在報告段階にある。一方、腎エネルギー代謝の観点から、とくに尿細管・間質病変が酸化ストレス、ミトコンドリアストレスの結果惹起される可能性が予想される。近位尿細管に対して、シスプラチンによるストレスを負荷した状況で、近位尿細管Sirt1特異的過剰発現マウスにおいて、腎機能障害が抑制され、この機序にACOX-1、ミトコンドリアPGC-1α、MCADの低下抑制が関与するとの結果を得た。今後、Sirt1ならびに蛋白尿の日内変動との関連を、時計遺伝子群(PER2など)の変動とともに、今後も継続的に検討したい。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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FASEB Journal
巻: (in press)
International Journal of Obesity Research
巻: 36(8) ページ: 1062-1071