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2010 年度 実績報告書

ノックアウトマウスによるTDP43の生理的機能の解明と筋萎縮性側索硬化症への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22590925
研究機関新潟大学

研究代表者

佐藤 俊哉  新潟大学, 脳研究所, 助教 (90359703)

キーワード脳神経疾患 / 筋萎縮性側索硬化症 / TDP-43 / 疾患モデル / 初期胚発生
研究概要

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子であるTDP-43の生理的機能を解析するため、TDP-43コンディショナルノックアウトマウスを作成し、以下の3点から検討を行った。1、最初にヘテロ欠損個体(Tardbp^<+/->)を解析したところ、多くの組織でmRNA発現レベルが回復していたことから、TDP-43の自己発現制御機構(オートレギュレーション)の存在が示唆された。この制御機構により、ヘテロ欠損個体では明確な表現型が認められないものと推察されたが、逆に自己発現制御機構の破綻は、ALSに認められるTDP-43の蓄積と直接的に結びつく可能性があるため、この制御機構の詳細に関して解析を進めている。2、次にホモ欠損個体(Tardbp^<-/->)を作成したところ、着床前後に死亡することが明らかとなった。またヘテロ欠損メス由来の初期胚では、TDP-43の発現レベルが低く,自己発現制御機構が不充分であり、発生遅延が生じることも明らかとなった。さらにアミノ酸付加により発生遅延が部分的に救済されることも示されたため、アミノ酸感知シグナルとして重要なmTOR(mammalian target of rapamycin)を中心として、TDP-43の下流にあるシグナルを検索している。3、ホモ欠損個体が得られなかったため、NSE39-Creマウスを用いて、神経特異的ノックアウトマウス(Tardbp^<flox/flox>、NSE-Cre^+)を作成した。この遺伝子型を持ったマウスは、メンデル則に従って産まれてくるものの、出生時点で既に体重差が認められ、メディアン生存期間が8(0-31)日という強い表現型を示した。今後は病理学的解析を中心に行い、大型細胞の代表である運動神経と他の神経細胞において、TDP-43の要求性に相違がないか等、ALSモデルとしての資質を検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ALS関連タンパク質TDP・43の初期胚発生への寄与2010

    • 著者名/発表者名
      廣川祥子
    • 学会等名
      第1回新潟大学脳研究所共同研究拠点国際シンポジウム
    • 発表場所
      新潟大学脳研究所統合脳機能研究センター(新潟県)
    • 年月日
      2010-11-22
  • [学会発表] ALIS関連タンパク質TDP・43の初期胚発生への寄与2010

    • 著者名/発表者名
      廣川祥子
    • 学会等名
      第40回新潟神経学夏期セミナー
    • 発表場所
      新潟大学脳研究所統合脳機能研究センター(新潟県)
    • 年月日
      2010-08-06

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公開日: 2012-07-19  

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