研究課題
1.メタロチオネインノックアウトマウスからの初代培養細胞を用いたロテノン神経障害およびアストログリアの関与:メタロチオネイン(MT)ノックアウトマウス(129S7/SvEvBrd-Mt1tm1Bri Mt2tm1Bri)からの中脳神経細胞単独培養系に,ロテノンを曝露した線条体あるいは中脳アストログリアの培養液を添加したところ,ロテノン曝露線条体アストログリアからの培養液添加ではチロシン水酸化酵素(TH)陽性細胞数に変化はみられなかったが,ロテノン曝露中脳アストログリアの培養液添加ではTH陽性ドパミン神経細胞数が有意に減少した.2.C57BL/6Jマウスを用いたロテノン慢性投与パーキンソン病モデルの中枢・末梢神経障害:雄性C57BL/6Jマウス(8週齢)にロテノン(50 mg/kg/day)を3,6週間慢性皮下投与した.ロテノン3週間投与では黒質,線条体のTH陽性シグナルに変化はみられなかったが,上行結腸の神経叢におけるβ-tubulin III陽性シグナルが有意に低下していた.ロテノン投与6週後では線条体TH陽性シグナルの低下が認められた.3.MTノックアウトマウスへのロテノン慢性投与:MTノックアウトマウス(8週齢)にロテノン(50 mg/kg/day)を4週間投与した黒質,線条体では著明なドパミン神経障害がみられた.野生型マウスでは線条体のGFAP陽性アストログリアの増加がみられたが,MTノックアウトマウスでは有意な変化がみられなかった.MTノックアウトマウスでは腸管神経叢におけるβ-tubulin III陽性シグナルの低下がみられた.以上より,ロテノンによるドパミン神経毒性発現には中脳アストログリアから分泌される何らかの分子が関与していること,ロテノン神経毒性は中枢よりも末梢神経の方が脆弱であること,また抗酸化分子MTがロテノン神経障害に関与することを明らかにできた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Life Sci.
巻: 92 ページ: 727-732
Neurobiol. Aging
巻: 33 ページ: 2462-2477
Perit. Dial. Int.
巻: 32 ページ: 453-461
Neurochem. Res.
巻: 37 ページ: 1944-1951
薬学雑誌
巻: 132 ページ: 173-178
10.1248/yakushi.132.173
九州栄養福祉大学研究紀要
巻: 9 ページ: 45-58
http://www.okayama-u.ac.jp/user/brainsci