研究課題/領域番号 |
22590938
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川尻 真和 九州大学, 大学病院, 特任講師 (00335960)
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研究分担者 |
河村 信利 九州大学, 大学病院, 講師 (00432930)
松下 拓也 九州大学, 医学研究院, 准教授 (00533001)
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キーワード | CIDP / マイクロアレイ / 自己抗体 / 膜蛋白質 |
研究概要 |
K23年度はCIDP患者血清におけるantigen microarray解析のために、(1)収集した患者血清の臨床情報の解析、(2)末梢神経由来膜蛋白ライブラリーの作製、(3)CIDP患者血清を用いたantigenmicroarray解析の開始、(4)CIDP特異的な標的自己抗体の候補標的抗原の同定を行った。昨年度に保存血清を収集したCIDP患者の臨床的、電気生理学的解析を行い、典型的なCIDP症例の選別および病型分類を行った。CIDPでは典型的な左右対称性のCIDPから左右非対称な異常をきたすMADSAM、遠位優位の障害をきたすDADSなど臨床的不均一性がみられ、なかでも自己抗体の関与が最も疑われる典型的なCIDP症例10例の血清をmicroarray解析の対象とした。Microarrayに使用するために、膜蛋白ライブラリーからsplit primer PCR法による蛋白作製をおこなった。これらの血清、蛋白を用いたantigen microarrayを開始した。また、一部のCIDP患者血清にて同定された、自己抗体の候補抗原蛋白の同定についての解析を行い、免疫組織化学染色、ウエスタンブロット法による同定結果に加えて、ELISA法、候補蛋白遺伝子導入を行ったHEK293-T細胞を用いた免疫細胞化学染色法により、自己抗体が抗neurofascin抗体であることを同定した。CIDPにおける本抗体の存在について、多角的方法により同定した研究はなく、今後のCIDPの診断、病型分類において重要と考えられる結果が得られた。
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