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2010 年度 実績報告書

脳GTPシクロヒドロラーゼIの生化学的研究によるドーパ反応性ジストニーの病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22590941
研究機関順天堂大学

研究代表者

古川 芳明  順天堂大学, 医学部, 教授 (10219107)

研究分担者 志村 秀樹  順天堂大学, 医学部, 准教授 (50286746)
キーワードGTPシクロヒドロラーゼI / テトラヒドロビオプテリン / ドーパ反応性ジストニー / 神経化学 / 剖検脳
研究概要

ヒトの凍結剖検脳において、世界で初めてGTPシクロヒドロラーゼI蛋白質の定量をウェスタンブロッティングを用いて行った。まず神経/精神学的に正常なヒト剖検脳7例における脳内分布を検索したところ、GTPシクロヒドロラーゼI蛋白質の量は赤核で最も高く、赤核>黒質(緻密層)>淡蒼球(内節・外節)>被殻>尾状核>扁桃核>視床>海馬>島皮質>他の皮質(小脳皮質・前頭葉皮質・側頭葉皮質・頭頂葉皮質・後頭葉皮質)、となっていることが明らかとなった。GTPシクロヒドロラーゼIは、テトラヒドロビオプテリン(ドーパミン合成系のチロシン水酸化酵素およびセロトニン合成系のトリプトファン水酸化酵素の補酵素)生合成の律速酵素であるため、7例中5例では脳内の主要部位における総ビオプテリンの値も高速液体クロマトグラフィー/蛍光検出器で測定したところ、赤核>淡蒼球(内節・外節)>被殻>尾状核>皮質(小脳皮質・前頭葉皮質・後頭葉皮質)、と同様の脳内分布を呈していた。次に黒質線条体ドーパミンニューロンが変性・脱落することを特徴とするパーキンソン病7例と、これらと死亡年齢および剖検までの時間が一致している正常コントロール8例の被殻・尾状核・前頭葉皮質を用いてGTPシクロヒドロラーゼI蛋白質を定量し比較したところ、パーキンソン病の被殻と尾状核で有意な低下が認められたが、前頭葉皮質では有意差を認めなかった。今後、ヒト脳の発達と老化がGTPシクロヒドロラーゼI蛋白質量におよぼす影響を検討した上で、GTPシクロヒドロラーゼIの遺伝子変異を有するドーパ反応性ジストニー剖検脳の生化学的検索を行い、このGTPシクロヒドロラーゼI欠乏性ドーパ反応性ジストニーの発症機序を解明する。

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公開日: 2012-07-19  

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