研究課題/領域番号 |
22590942
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
永田 智香子 (仁藤 智香子) 日本医科大学, 医学部, 講師 (30409172)
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キーワード | 局所脳虚血 / Cdk5 / 神経細胞死 / 血液脳関門障害 / 血管新生 |
研究概要 |
Cyclin-dependent kinase5(Cdk5)は、その異常活性化が神経変性疾患や脳虚血状態においてアポトーシスや神経細胞死に直接的に関与していることが知られている。特に脳虚血においては、回復期の血管再生(angiogenesis)をはじめとする修復過程でCdk5の活性化が必要とされているが、そのメカニズムについてはまだ解明されておらず、Cdk5はantiangiogenic therapyのターゲットとして新しい脳梗塞治療の基盤となる可能性がある。そこで我々は、マウス一過性局所脳虚血モデルを作製し、Cdk5活性やCdk5活性化蛋白P25/P35、VEGF等の発現について、虚血直後の細胞障害およびその修復過程における経時変化や脳内における局在を検討し、虚血再灌流6時間、1日、3日、7日後に断頭、虚血側大脳皮質を切り出し、Cdk5活性、p25/p35蛋白の発現レベルについて、ELISA法、ウェスタンブロット法、免疫組織化学法等を用いて調べた。再灌流6時間において、Cdk5活性およびp25/p35の発現は上昇し、3日後で低下するも7日後に再び上昇した。再灌流1日後において、P25/P35は梗塞部の神経細胞に著明に発現し、それはTUNEL染色陽性細胞に局在していた。3日から7日後においては、p25/p35は梗塞辺縁部の微小血管に最も著明に発現しており、同時にVEGF蛋白発現の上昇も認めた。血液脳関門障害の評価では、Evans Blue leakageは虚血再灌流3日後においてピークを認めた。以上より、Cdk5は局所脳虚血後の神経細胞死のみならず、その回復期におけるangiogenesisに関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度において非常にスムースに実験計画が実行され、研究成果も得ているが、今年度においては阻害剤を用いた薬物実験がメインとなっており多少時間を費やすものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、Cdk5活性に関与する細胞内シグナルの解明、およびCdk5阻害剤の投与時期の違いによる神経細胞保護効果やangiogenesisに及ぼす影響について検討する予定である。
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