マウス一過性局所脳虚血モデルを用い、虚血再灌流後の神経細胞障害や回復期の血管再生をはじめとする修復過程におけるCdk5の活性化およびそのメカニズムについて検討した。再灌流6時間後において、Cdk5活性およびp25/p35の発現は上昇し、3日後で低下するも7日後に再び上昇した。再灌流1日後では、p25/p35は梗塞部の神経細胞に著明に発現し、3日から7日後においては、梗塞辺縁部の微小血管に最も著明に発現した。Evans Blue leakage法を用いた血液脳関門障害の評価では、再灌流3日後においてピークを認めた。Cdk5は局所脳虚血後の神経細胞死のみならず、その回復期におけるangiogenesisに関与している可能性が示唆され、Cdk5はantiangiogenic therapyのターゲットとなりうる。
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