研究課題/領域番号 |
22590950
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
永田 哲也 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・遺伝子疾患治療研究部, 室長 (50362976)
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研究分担者 |
武田 伸一 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナル・メディカルセンター, センター長 (90171644)
岩田 裕子 独立行政法人国立循環器病センター, 循環分子生理部, 室長 (80171908)
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キーワード | SAC / TRPV2 / DMD |
研究概要 |
TRP蛋白質(transient receptor potential protein)は,種々の物理化学刺激によって活性化される広範なCa2+流入チャネル群(TRPチャネル遺伝子スーパーファミリー)である。この中で特に機械刺激チャネルTRPV2は、正常組織では細胞内膜系に存在するが、生体内に異常が生じた場合、例えばマウス等の筋ジストロフィーや拡張型心筋症などの場合の筋変性疾患に伴って、TRPV2が細胞膜に移行し、活性化される性質がある。本申請では筋ジストロフィー犬におけるTRPV2を中心としたTRP蛋白質の心筋及び骨格筋での発現変化を分子生物学的解析し、さらにそれらの阻害剤を使った心筋変性や骨格筋変性を抑制する新規治療法の開発を目的とする。従来の抗体ではイヌに対する染色性が弱くTRPVIと2で抗原性に交差性があったため、本年度は新たな抗体を作成した。これを用いて筋ジス犬(発症後)及び正常犬の組織で検証した結果、筋ジス犬ではTRPV2は局在の変化が認められた。Western blotでも同様であった。現在、心筋で検討している。TRPV2以外のSACの発現では、Canine用のプライマーをデザインしてTRPC1、TRPC6、TRPC7、おいての発現量の変化を検討したが、筋ジス犬および正常犬では差が認められなかった。今後、他のSACの発現を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
イヌに対するTRPV2単独で認識する抗体が無かったため作製に時間を要した。また同様にイヌに対して報告されているシークエンスは他の種から予測された配列であり、cDNAをクローニングするのに時間が要した。
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今後の研究の推進方策 |
新たに作製した抗体を用いて解析を進めていく。さらに、まだ得られていない他のSAC関連のイヌのcDNAをクローニングしていく予定である。
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