研究概要 |
パーキンソン病および多系統萎縮症患者の下腿からの生検皮膚を用い,免疫組織化学および蛍光免疫組織化学を行った.両方法でパーキンソン病患者 37 例のうちレビー病理を証明できたものは 3 例に過ぎなかった.一方,多系統萎縮症 15 例では皮膚内にはレビー病理は見られなかった.皮膚でのレビー病理の検討は感度が低く,診断には有用とはいえない.パーキンソン病患者では多系統萎縮症患者に比べ,表皮内神経密度が低下していた.L-ドパ未治療患者でも L-ドパ治療を受けた患者と同様に表皮内神経密度は低下しており,パーキンソン病での表皮内神経密度の低下は L-ドパ治療の影響ではないと考えられた.以上のことからパーキンソン病と多系統萎縮症の鑑別に表皮内神経密度の検討は有用である
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