1.平成22年度繰り越し分の研究成果:1)前年度中に諸般の事情で施行しえなかった健常被験者のデータの収集を繰り越し期間でおこなった。その結果、50件の健常被験者のBRB-N(AバージョンおよびBバージョン)のデータを収集した。2.平成23年度の研究成果:1)BRB-Nの標準データ収集に関しては、繰り越し分が終了してから、引き続き、BRB-Nの標準データ作成のための健常被験者のデータ収集を継続した。健常被験者の年齢は20歳代から60歳代、BRB-NのバージョンAとBの両者を合わせ、データ数は最終的に151件に達した。2)健常被験者のデータに関して、年齢別、男女別の分布を分析した。この際に、統計解析の専門家から助言、アドバイスを得、研究分担者とディスカッションを行った。その結果、年齢、男女に不均衡があることが指摘され、適切な統計解析のために、どの年齢層の男女何名ほど不足しているか明らかにした。(不足していたのは、20~30代では、男性数名、50歳代は男性10名以上、60歳代は女性10名以上であった)そこで、それらの被験者を追加するよう、募集の準備を行った。3)また、多発性硬化症の患者のデータ収集の試みも開始した。患者に関しては、他共同研究のグループとともに、個別にBRB-N日本語版を使用を試みた。その結果に関しては、多発性硬化症患者の認知機能の評価と、臨床症状や病理所見の整合などを考察した論文に別途まとめた。現時点で投稿中である。(論文題名は「Cognitive impairment and neurodegeneration in neuromyelitis optica」)である。
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