研究概要 |
頸部内頸部動脈狭窄を有し、CEAを施行された連続症例31例(男性30例、女性1例、年齢54-80歳)、計31血管を対象とした。1.5T MRIを用いて頸動脈分岐部の心電図非同期spin-echo(SE)法、心電図同期black」blood fast SE(ECG-BB-FSE)法、magnetization-prepared rapid acquisition with gradient-echo(MPRAGE)法、source image of three-dimensional time-of-flight MR angiography(S1-MRA)法を撮像し、同側の胸鎖乳突筋に対するプラークの相対信号強度を算出した。また、CEAで得られた病理所見(HE染色、MT染色、AGP-A染色)からプラークの主成分を線維、脂質、出血に分類しMRI所見と比較した。 31例中3例を画質不良のため、7例をプラークの3成分が全てにおいて50%未満のために除外し、残りの21例(全例男性、年齢54-80歳)について検討した。その結果、線維,脂質,出血成分主体のプラークの相対信号強度は心電図非同期SE法は中央値が1.02(0.92-1.15),1.41(1.22-1.52),1.81(1.55-2.30)であり,3群間に強い有意差を認めoverlapは認めず主成分の識別能は良好であった[Kruskal-Wallis(KW)test,p<0.001]. これに対してECG-BB-FSE法・MPRAGE法・SI-MRA法を用いた同様の試みでは、いずれの方法も心電図非同期SE法に比べて、線維、脂質、出血成分間のoverlapが大きく、主成分の識別は困難であった。
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