研究課題/領域番号 |
22590967
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研究機関 | 関西医療大学 |
研究代表者 |
紀平 為子 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (30225015)
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研究分担者 |
吉田 宗平 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (30166954)
岡本 和士 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60148319)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 紀伊ALS / 酸化的ストレス / 遷移元素 / 放射化分析 / 慢性的Ca不足 / 生活習慣 |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の多発地である和歌山県古座・古座川・串本(大島を含む)(K)地域において、当地域のALS(K-ALS)の発症に関与する環境要因の検討のため、昨年までの本研究でK地域では飲用水中Ca低値、住民とK-ALS症例の血清中CaとZnの低値、相対的Cu高値、尿中8-OHdGの高値を認めた。また、放射化分析(NAA)でK-ALS症例とK住民の毛髪中遷移元素の高値を認め、これらによる酸化的ストレス増大が考えられた。 H24年度は、遷移元素が毛髪に蓄積する要因を解明するため、毛髪中の元素濃度と生活習慣との関連を検討した。毛髪の元素分析を症例を増やして行い、さらにK地域の住民を対象に健診と生活習慣に関する2項選択によるアンケート調査を実施した。NAAは昨年度と同様の方法で、京都大学原子炉実験所の研究用原子炉気送管Pn-1で熱中性子束を照射し実施した。結果. 頭髪のNAAは、パーマなどの処理をしていないK地域のALS症例(昨年と合わせて7例、以下同様)、対照(19例)、大島住民(86名)、K地域以外の弧発性ALS症例(10例)で検討した。K-ALS症例では対照に比し、毛髪中VとMnが高値を示した(p<0.05)。生活習慣との関連では、K地域住民で漬け物の摂取が多い者に有意に毛髪中VやMnが高く、また畑仕事が多い者に毛髪中Al高値が認められた。K地域でALSが最も多発していた1960年代と現在との生活習慣の変化についての質問では、1960年代にはK地域では卵料理、乳製品の摂取頻度が少なく、米飯、漬け物などを主とする食習慣であったが、現在は食品の欧米化、食品調達の広域化、重労働の軽減が認められた。1960年代の生活習慣が当地住民の酸化的ストレス増大に関与したと推察され、これが近年軽減されたこととALS発症率低下が関連するのか今後更に検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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