• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

脂肪組織におけるインクレチンGIPの役割-組織特異的受容体欠損マウスの解析-

研究課題

研究課題/領域番号 22590975
研究機関京都大学

研究代表者

原田 範雄  京都大学, 医学研究科, 助教 (50530169)

キーワード肥満 / インクレチン / GIP
研究概要

gastric inhibitory polypeptide (GIP)は、GIP受容体(GIPR)を介した直接的作用とインスリンを介した間接作用によって腸管から吸収した栄養素を脂肪組織にエネルギーを効率よく蓄積させる催肥満ホルモンとして知られている。しかし、脂肪組織に対するGIPの直接作用と間接作用の寄与度は未だ不明である。我々は、その寄与度を評価する目的でCre-Loxpシステムを用いた臓器特異的GIP受容体欠損マウスを作成した。Floxed GIP受容体マウスを作成し、Rat insulin promoter-Cre (Rip-cre)トランスジェニック(Tg)マウス及びAdipose tissue 2-Cre (Ap2-Cre) Tgマウスと交配し、膵β細胞特異的GIP受容体欠損(GIPR^<Rip-Lox>)マウスと脂肪特異的GIP受容体欠損マウス(GIPR^<Ap2-Lox>)を作成した。経口ブドウ糖負荷試験によるFloxed GIPRマウスの耐糖能は、野生型マウスと比較してインスリン値、血糖値ともに有意な差はなかったことから、インクレチンとしてのGIP受容体機能は維持されていることが判明した。次にGIPR^<Rip-Lox>マウスとGIPR^<Ap2-Lox>マウスの膵島と白色脂肪(褐色脂肪)では、各々著明なGIP受容体mRNA発現量の低下を示し、その他のGIPRが発現する臓器では有意な差を認めなかった。GIPR^<Rip-Lox>マウス単離膵島では、コントロール(Floxed GIPR)マウス膵島と比較してグルコースやアデニル酸シクラーゼ活性化剤であるforskolinに対するインスリン分泌に有意な差を認めなかった。しかしGIPに対するインスリン分泌は認めなかったことから、GIPR^<Rip-Lox>マウスの膵β細胞においてGIP受容体シグナルが選択的に欠損していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臓器特異的GIP受容体欠損マウスを作成するにあたり、綿密な交配計画を行っていたが、Cre遺伝子を有するfloxed GIPRホモマウスが順調に生まれず、作製に時間を要した。しかし、現在は評価すべきマウスは順調に増えてきており、2012年度末には、研究計画を終了し結果報告することは可能と考えられる。

今後の研究の推進方策

コントロール(Floxed GIPR)マウス、GIPR^<Rip-Lox>マウスとGIPR^<Ap2-Lox>マウスに関する耐糖能や高脂肪食肥満に対する表現系解析を今年度中に行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The effects of glucose and meal ingestion on incretin secretion in Japanese subjects with normal glucose tolerance2012

    • 著者名/発表者名
      Yamane S, Harada N, Hamasaki A, Muraoka A, Joo E, Suzuki K, Tanaka D, Ogura M, Harashima S, Inagaki N
    • 雑誌名

      J Diabetes Invest

      巻: 3(1): 80-85

    • DOI

      doi:10.1111/j.2040-1124.2011.00143.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Beneficial Effects of Exendin-4 on Experimental Polyneuropathy in Diabetic Mice2011

    • 著者名/発表者名
      Himeno T, Kamiya H, Naruse K, Harada N, Ozaki N, Seino Y, Shibata T, Kondo M, Kato J, Okawa T, Fukami A, Hamada Y, Inagaki N, Seino Y, Drucker DJ, Oiso Y, Nakamura J
    • 雑誌名

      Diabetes

      巻: 60 ページ: 2397-2406

    • DOI

      10.2337/db10-1462/-/DC1

    • 査読あり
  • [学会発表] 高脂肪食負荷状態におけるGIP分泌の検討2012

    • 著者名/発表者名
      原田範雄, 鈴木和代, 濱崎暁洋, 山根俊介, Danila Nasteska, 佐々木香月, 中村康彦, 稲垣暢也
    • 学会等名
      第26回日本糖尿病・肥満動物学会学術集会
    • 発表場所
      愛知県産業労働センター
    • 年月日
      2012-02-17
  • [学会発表] GIP分泌抑制のインスリン分泌と高脂肪食肥満に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      藤田和代, 原田範雄, 浜崎暁洋, Daniela Nasteska, 山根俊介, 城尾恵里奈, 村岡敦, 菱澤方洋, 近藤八重子, 劉喜宝, 稲垣暢也
    • 学会等名
      第54回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      札幌プリンスホテル
    • 年月日
      20115019
  • [学会発表] The Effect of High-fat Diet-induced Obesity on Secretion of Gastric Inhibitory Polypeptide from K-cells2011

    • 著者名/発表者名
      Norio Harada, Suzuki Kazuyo, Daniela Nasteska, Akihiro Hamasaki, Shunsuke Yamane, Nobuya Inagaki
    • 学会等名
      16th Japan-Korea Symposium on Diabetes Mellitus
    • 発表場所
      Chiba, Japan
    • 年月日
      2011-10-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi