研究課題
GIPの催肥満作用については多くの報告がin vitroにて行われているが、in vivoではGIPはインクレチンとしてインスリンの分泌促進作用を有するため、生体内でのGIPの脂肪組織に対する直接的な催肥満作用を評価することは困難であった。本研究は、脂肪組織特異的GIP受容体欠損 (GIPRadipo-/-)マウスを作製し、高脂肪食下(60%脂肪)での体重推移や脂肪組成、エネルギー消費量を評価してGIPの脂肪組織に対する直接作用を評価することを目的としている。全身性GIP受容体欠損マウス(GIPR-/-)では、既報と同様に野生型マウスに比較して体重増加抑制(負荷4週目)と体脂肪量の減少、インスリン感受性の増加を認めた。また有意な肝臓量と肝臓内脂肪量の減少を認めた。GIPRadipo-/-マウスでは、高脂肪食負荷12週目より野生型マウスに比較して有意な体重減少を認めた。GIPRadipo-/-マウスの空腹時インスリンは有意に低下し、インスリン負荷試験によるインスリン感受性は増加していた。CT解析による脂肪量はGIPRadipo-/-マウスで低い傾向にあったが、有意な差を認めなかった。一方で有意な肝臓量と肝臓内脂肪量の低下を認めた。呼吸商によるエネルギー消費、脂肪消費量は、野生型マウスと比較して有意な差を認めなかった。以上から脂肪組織特異的なGIPシグナル欠損状態では、高脂肪食負荷肥満状態下の体脂肪減少は軽度であるが、脂肪肝の抑制とインスリン感受性の改善が認められた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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