研究課題
平成23年度は、胎仔膵のOPT条件を検討するために、胎仔膵サンプルを調整した。交配後18.5日の胎仔より肝膵腸を一塊として摘出し固定した。固定したサンプルについてインスリン免疫染色作業を行った。OPT解析用に、透明化を通常の方法に従って行い、OPTで撮像した。その結果、膵臓に一致して膵島のスポットを認めた。画像解析ソフトで3Dイメージを構築でき、また膵島の数量を定量化できた。次に、雌のRip-Lucマウス(ラットインスリンプロモーター下にルシフェラーゼを発現する遺伝子改変マウス)を、通常食(CD)群と30%カロリー制限(RD)群に分ける予備検討を開始した。カロリー制限は、当初毎日CD群の食事量を計量し、その70%量を与える予定であった。食事量をマウス用のマルチフィーダーを用いて測定したが、毎日の測定では食事量の変化が少なく70%への調節が困難であった。よって、2日毎に摂取量を調節することに変更した。しかしながら、体重変動と食事摂取量の個体差が大きく解析ができなかった。平成24年度は、代謝ケージを用いて摂餌量を毎日測定する方針に変更した。その後、CD群とRD群について、(1)IVISシステムによる解析と(2)OPT Scannerによる解析を行う。解析ポイントは、胎生10日、14日、18日、出生時、以後離乳まで毎週、その後は2週間隔でIVISシステムによる解析を行う。その結果をもとに膵島量の変化点を特定し、OPT scannerによる解析ポイントを決定することとした。
4: 遅れている
・カロリー制限群の安定した作成がマウス用マルチフィーダーでは困難であることが判明したこと・厳密な摂取量評価に基づくカロリー制限を行うためには代謝ケージと判明したが、代謝ケージの導入を行い、運用を開始するまでに時間を要したこと・新生児マウスのIVIS撮像における問題点解決を検討した。具体的には、これまでルシフェリンの腹腔内注射後のIVIS撮像を行っていたが、新生児マウスが小さいために手技的に困難があり、安定したデータが得られなかった。そこで、皮下注射による観察法に切り替えた。
・平成23年度に導入した代謝ケージを用いて、コントロール群とカロリー制限群の作成とその後の比較検討を行う。胎仔膵のOPTによる解析を行い、膵島量の定量と比較を行う。また、乳児期マウスに経時的にルシフェラーゼを投与してIVISによる前向きの定量解析を行う。膵島量の差を明らかにした上で、介入ポイントを設定し、膵島量回復の可能性ついて検討する。
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