研究課題/領域番号 |
22590978
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木原 進士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20332736)
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キーワード | 内科 / 脂質 / 蛋白質 / 細胞・組織 / 生体分子 |
研究概要 |
昨年度の研究において、シスタチンCがアディポネクチンに結合し、血管内皮細胞におけるアディポネクチンの抗動脈硬化作用を阻害することを明らかにした。 本年度は、アディポネクチンの結合を既に報告したマウス大動脈組織、糸球体過剰濾過状態の腎組織、アンジオテンシン負荷状態の心組織を用いて、FITC標識アディポネクチンをリガンドとしたウエストウエスタンブロットを行った。血管内皮組織においてはシスタチンCの存在下と非存在下、腎組織と心組織では非負荷状態を対照とした比較において、アディポネクチン結合に差を認めたバンドを検出した。次いでそれらのアミノ酸シークエンスを試みたが、粗精製した膜分画では夾雑蛋白質が多く、同定することが困難であった。 そのため、免疫沈降法で膜蛋白からアディポネクチン結合蛋白の分離を行う目的で、抗マウスアディポネクチンポリクローナル抗体を用いた検討を行っている。一方、抗ヒトアディポネクチンモノクローナル抗体は特異性が高いと考えられたため、まずヒト血清を用いて免疫沈降系を作成した。抗ヒトアディポネクチンモノクローナル抗体を結合させた磁性ビーズを用い、アディポネクチンを結合蛋白質と共に血清から全量免疫沈降させる系を確立した。 ヒト血清と単球由来マクロファージの膜分画を用いて、確立した免疫沈降系によるアディポネクチン結合蛋白質の同定を行い、並行して、マウス組織からの免疫沈降系の確立を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
免疫沈降系の確立に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
免疫沈降法による蛋白質の同定を研究計画に加え、計画通り血管代謝機構の解明を行う。
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