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2012 年度 実績報告書

GSK-3βの膵β細胞量調節機構の解明とその制御による2型糖尿病治療の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22590984
研究機関山口大学

研究代表者

田部 勝也  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (00397994)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード糖尿病 / 膵β細胞 / GSK-3 / 小胞体ストレス
研究概要

糖尿病病態におけるセリン・スレオニンキナーゼGSK-3βを介した膵β細胞障害機構の解明を行った。糖尿病状態において小胞体ストレスや酸化ストレスの亢進が膵β細胞量減少の主要な因子として想定される。ストレス条件下におけるGSK-3βの役割は明らかでない。マウス膵β細胞において、小胞体ストレス誘導によりGSK-3異常活性化を来し、GSK-3活性抑制によりアポトーシスが減弱した。さらに、GSK-3活性抑制がストレス応答分子である転写因子ATF4発現増強を介して抗アポトーシス効果を発揮することを明らかにした。GSK-3を介したATF4の発現調節機構について、GSK-3がATF4 S214のリン酸化を介してユビキチン-プロテアゾーム蛋白分解を促進することを解明した。一方、GSK-3抑制がATF4依存的にeIF2αの脱リン酸化を促進するとともに翻訳抑制因子4E-BP1の発現を転写レベルで増強した。そこで、小胞体ストレス下において、蛋白翻訳調節に対するGSK-3活性抑制の影響をメタボリックラベリングにより解析した。GSK-3活性抑制が、ストレス誘導早期の著しい全蛋白翻訳抑制をより早期に終息させる一方で、慢性期においては有意に蛋白翻訳を抑制した。すなわち、GSK-3活性抑制がATF4発現増強を介して、eIF2aのリン酸化を介したストレス急性期の蛋白翻訳抑制から、よりadaptiveなストレス応答である4E-BP1を介した蛋白翻訳抑制への移行を促進することが推察された。以上の結果より、ストレス条件下において、GSK-3活性制御障害が蛋白翻訳調節障害を介して膵β細胞死誘導に寄与することが明らかとなった。本研究課題で得られた知見は、膵β細胞不全予防に基づいた2型糖尿病治療法開発に向けての新規分子基盤創出につながる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Clock-controlled output gene Dbp is a regulator of Arnt/Hif-1β gene expression in pancreatic islet β-cells.2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Nakabayashi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 434 ページ: 370-375

    • DOI

      doi:pii: S0006-291X(13)00548-2. 10.1016/j.bbrc.2013.03.084

    • 査読あり
  • [学会発表] SCFβTrCP and GSK3-mediated degradation of ATF4 is a pro-apoptotic mechanism in pancreatic β-cell under endoplasmic reticulum stress.2013

    • 著者名/発表者名
      田部勝也
    • 学会等名
      第56回日本糖尿病学会年次学術総会
    • 発表場所
      メルパルク熊本 熊本
    • 年月日
      20130516-20130518
    • 招待講演
  • [学会発表] Role of Gsk-3βin the development of β-cell failure.2012

    • 著者名/発表者名
      田部勝也
    • 学会等名
      第9回国際糖尿病連合西太平洋地区会議(IDF-WPR )/第4回アジア糖尿病学会( AASD)
    • 発表場所
      国立京都国際会館 京都
    • 年月日
      20121124-20121127
    • 招待講演
  • [学会発表] GSK-3 enhances ER stress-induced apoptosis by regulation of ATF4 protein stability in pancreatic β-cells.2012

    • 著者名/発表者名
      田部勝也
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会年次学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜 横浜
    • 年月日
      20120517-20120519
    • 招待講演
  • [学会発表] Glycogen synthase kinase-3(Gsk-3)を介した小胞体ストレス応答制御と膵β細胞障害2012

    • 著者名/発表者名
      田部勝也
    • 学会等名
      第85回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場 名古屋
    • 年月日
      20120419-20120421
    • 招待講演
  • [図書] 日本臨床 最新臨床糖尿病学(上)2012

    • 著者名/発表者名
      田部勝也
    • 総ページ数
      823
    • 出版者
      日本臨床社

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公開日: 2014-07-24  

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