研究課題/領域番号 |
22590987
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
本島 寛之 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (40398201)
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研究分担者 |
松村 剛 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20398192)
西川 武志 熊本大学, その他の研究科, 准教授 (70336212)
近藤 龍也 熊本大学, その他の研究科, 助教 (70398204)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 発現制御 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 蛋白質 |
研究概要 |
本研究は、高グルコース状態や肥満状態がTNFα変換酵素(TACE)や他のプロテアーゼ活性を増加させインスリン受容体(IR)を切断するという仮説を、in vitroおよびin vivo実験にて証明、TACE活性抑制機序を応用した糖尿病新規治療法の確立を目的としている。これまで肥満動物におけるTACE発現・活性状態不明であった。1) 高脂肪・高スクロース食負荷による肥満マウスでは脂肪組織特異的にTACE発現および活性が増加した。また、2) 遺伝性過食による肥満動物KKAyマウスにおいても対照のKKマウスに比較して脂肪組織特異的にTACE発現および活性が増加した。3) KKAyマウスにカロリー制限を施すとTACE発現および活性が対照レベルまで有意に減少した。4) JNK阻害薬を短期的に腹腔内投与すると活性型TACE分子の発現が減少しTACE活性が有意に抑制された。5) 高脂肪・高スクロース食負荷マウスおよびKKAyマウスでは脂肪組織におけるJNKおよびp38 MAPKが活性化していた。6) JNK阻害薬投与はKKAyマウス内臓脂肪におけるJNKおよびp38 MAPKの活性化を抑制した。7) 肥満動物の内臓脂肪組織におけるIR発現は減少していた。 以上の結果から、食餌性あるいは遺伝性過食による肥満状態では脂肪組織特異的にTACE発現が誘導され、TACE活性化が生じていること、JNKおよびp38 MAPK活性化を介してTACE発現あるいは活性化が生じていること、TACE活性化に不活性型から活性型への分子修飾が寄与している可能性が示唆された。脂肪組織に過剰発現したTACEによるIR切断の可能性が示唆されるが、TACEにより直接IR蛋白の切断が生じているか否かについてはさらなる解析が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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