研究概要 |
2型肥満糖尿病高脂血症のモデルであるdb/dbマウスを対象とした。同マウスを3群1)コントロール群、2)コール酸群、3)コレスチミド群に分け、投与前、後に経口ブドウ糖負荷試験、インスリン負荷試験を行った。コール酸及びコレスチミド投与群において、有意な血糖の低下が認められた。また両群においてITTにおけるインスリン感受性の改善を認めた。体重、摂食量には各群間にて差を認めなかった。Euglycemic glucose clamp法により、インスリン感受性の改善は肝糖取り込みの亢進によることが明らかとなった。 また投与前後にT.chol、TG、LDL-C、HDL-Cを測定し、コレスチミド群では有意なT.chol, TG, LDL-Cの低下を認めたが、コール酸群では逆に上昇した。 次に、肝糖取り込みの機序について解明するため、以下の糖代謝、脂質代謝に関与する各種転写因子酵素の発現についてReal time PCR法にて解析した。1)FXR-SHP系である核内転写因子FXR、SHPの発現はコレスチミド群、コール酸群で有意に低下していることが明らかとなった。Liver X receptor (LXR) α、liver receptor homologue-1 (LRH-1)のmRNAの発現については検討中である。2)糖新生系酵素のPEPCK、G6Pase、脂肪合成系のacetyl-CoA carboxylase (ACC)、fatty acid synthase (FAS)は両群で圧弦が増強していた。SREBP-1cにおいては発現の低下が認められた。acetyl-CoA synthase (Ace CS)、stearoyl-CoA desaturase (SCD-1)のmRNAの発現については測定する予定であり、今後更に詳細な機序を検討していく予定である。
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