研究課題/領域番号 |
22590999
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 知彦 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (20422222)
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研究分担者 |
龍野 一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (80282490)
田中 知明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50447299)
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キーワード | 糖尿病 / シグナル伝達 / エピジェネティクス / 骨リモデリング / 破骨細胞 |
研究概要 |
骨強度は骨密度と骨質で規定され、骨密度についてはDual-Energy X-ray Absorptiometry (DXA)法など非侵襲的で簡便な評価法があるものの、骨質についてはそのような評価法が確立していないのが現状である。2型糖尿病患者では骨密度が増加するにも拘らず骨折リスクが上昇することが知られており、いわゆる"骨質"とは何か、またその評価法を開発する上で2型糖尿病における骨脆弱性の詳細な分子メカニズムを明らかにすることが重要と考えられる。2型糖尿病における骨脆弱性上昇メカニズムとしては、糖尿病患者で増加するAdvanced Glycation Endproducts (AGEs)を介するシグナル変化が関与することが考えられているが、我々はAGEsがその受容体(RAGE)を介して骨芽細胞増殖の抑制をもたらすとともに、骨芽細胞から何らかの破骨細胞分化促進因子の分泌を促し、破骨細胞分化が促進されることを見出した。さらに破骨細胞分化のmaster regulatorである転写因子NFATc1を介するシグナル変化を解析する目的でNFATc1結合分子をLC-MS/MSにて解析したところ、様々な興味深い分子がNFATc1に結合することが明らかとなった。今後は引き続きAGEs-RAGEシグナル活性化に伴う破骨細胞分化メカニズムの解明と、AGEs-RAGEシグナルにより誘導される骨芽細胞からの破骨細胞分化促進因子の同定を試みる。
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