研究課題/領域番号 |
22591002
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
池脇 克則 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部・医学科専門課程, 教授 (40287199)
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研究分担者 |
綾織 誠人 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 助教 (70532464)
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キーワード | 安定同位体 / アポ蛋白B / 血液透析 / トレーサー / スタチン |
研究概要 |
背景と目的:透析(HD)患者は心血管疾患(CVD)のハイリスクである。HDに特有の脂質プロフィールは高レムナント・低HDL血症・正LDLである。申請者は平成11-12年の基盤研究C研究において高レムナント血症が異化障害、低HDL血症は異化亢進が原因であること、加えてLDL濃度は正常にもかかわらず、異化、合成速度ともに50%低下していることを報告した。こうした背景から、本研究では、これらの代謝異常に対するスタチンの効果を安定同位体を使ったトレーサー研究によって明らかにすることが目的である。 対象:本年度は血液透析患者5名を対象に以下のトレーサー実験を実施した。アポ蛋白代謝実験用に2H3-leucine 10mg/kg、VLDL TG代謝実験用には2H5-glycerol(ともにCambridge Isotope)3mg/kgを同時に静注した。その後、10、30、60min、1、2、3、4、5、6、8、10、12、14、24、36、48hourで採血し、血漿分離後、超遠心法にてVLDL、IDL、LDL、HDLに分画した。同様の代謝実験をアトロバスタチン10mg/日を12週間後実施した。アポ蛋白B沈殿、加水分解、アミノ酸修飾後、GC-MSにてtracer/tracee比を測定中である。我々の開発したアポ蛋白B代謝モデルを用いて異化速度を算出した。現時点でLDLアポ蛋白B異化速度は0.50±0.22/dayから0.96±0.81/dayを著明に増加した。次年度はさらに5名程度症例を追加する予定である。
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