研究課題
22年度までに明らかにしたことをまとめると、(1)プロテアソーム阻害薬bortezomibはABCA1/G1発現を増大させ、HDLによるmacrophage(MΦ)からのコレステロール(Ch)搬出反応を増大させること、(2)HEK293細胞を用いた過剰発現系での検討においてABCA1/G1はポリユビキチン化されること、(3)プロテアソーム阻害薬存在下ではタンパク分解が遅延し、ABCA1/G1はユビキチン-プロテアソーム系で分解されること、(4)マウスにおいてbortezomibの投与によりコレステロール逆転送が活性化されること、(5)その活性化作用は肝臓においては認められず、MΦ特異的な作用であることを見いだした。23年度においては、国際医学雑誌Arterioscler Thromb Vasc Biol.に掲載される際に実施した追加実験として、(1)ヒト由来THP-1 MΦおよびマウス腹腔マクロファージにおいてもABCA1/G1はポリユビキチン化されること、(2)ヒト由来肝細胞HepG2においてもプロテアソーム阻害薬はABCA1/G1発現の増加をもたらすことを見いだし、同誌に受理された。Bortezomibの抗動脈硬化作用についての検討を行ったが明かな効果を認めず、現在実験系、動物種を再検討し再度実験を計画中である。
3: やや遅れている
Bortezomibの抗動脈硬化作用についての検討を行ったが明かな効果を認めず、現在実験系、動物種を再検討し再度実験を計画中である。また、変異ユビキチンを発現するアデノウィルスベクターの確立に困難を極め、之を使用する検討に遅れが生じている。
現在、研究の推進において困難に直面しているが、種々の工夫、手法の改善により、当初予定された検討を行いたいと考えている。
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Arterioscler Thromb Vasc Biol
巻: 31 ページ: 1980-1987
doi:10.1161/ATVBAHA.111.228478.