研究課題
23年度までに明らかにしたことをまとめると、(1)プロテアソーム阻害薬bortezomibはABCA1/G1発現を増大させ、HDLによるmacrophage (MΦ)からのコレステロール(Ch)搬出反応を増大させること、(2)HEK293細胞を用いた過剰発現系での検討においてABCA1/G1はポリユビキチン化されること、(3)プロテアソーム阻害薬存在下ではタンパク分解が遅延し、ABCA1/G1はユビキチン-プロテアソーム系で分解されること、(4)マウスにおいてbortezomibの投与によりコレステロール逆転送が活性化されること、(5)その活性化作用は肝臓においては認められず、MΦ特異的な作用であることを見いだした。(6)ヒト由来THP-1 MΦおよびマウス腹腔マクロファージにおいてもABCA1/G1はポリユビキチン化されること、(7)ヒト由来肝細胞HepG2においてもプロテアソーム阻害薬はABCA1/G1発現の増加をもたらすことを見いだした。以上の知見を国際医学雑誌Arterioscler Thromb Vasc Biol.に発表した。24年度においては、(1)Bortezomibの抗動脈硬化作用についての検討を行ったが明かな効果を認めなかったこと(2)変異型ユビキチンを発現するアデノ/レンチウィルスベクターを作成に成功し、in vitroで強制発現系およびMΦのABCA1/G1発現量の検討中であること(3)変異型ユビキチン発現アデノウィルスベクターのマウス肝臓特異的発現に成功し血清脂質に及ぼす影響について検討中であることの3点を報告する。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biochim Biophys Acta
巻: 1821(4) ページ: 561-72
doi:10.1016/j.bbalip.2012.02.004.