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2010 年度 実績報告書

GABAインターニューロン形成を制御する甲状腺ホルモンの新規作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22591005
研究機関東北大学

研究代表者

内田 克哉  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (40344709)

研究分担者 小林 健一  労働安全衛生研究所, 健康障害予防研究グループ, 常勤研究員 (00332396)
キーワード甲状腺ホルモン / GABA / インターニューロン / 発達障害 / ニューロン新生
研究概要

本年度は、抗甲状腺剤による甲状腺機能低下症モデル動物および甲状腺刺激ホルモン受容体突然変異マウスを用いて、GABAインターニューロン形成に与える甲状腺ホルモンの影響を検討した。その結果、出生後から生後3週目にかけての甲状腺ホルモンがGABAインターニューロン形成に非常に重要な役割を演じていることが明らかになった。
本研究より、幼若期の甲状腺ホルモン不全は、大脳皮質や海馬におけるGABAインターニューロンの亜集団構成比を変化させることが明らかになった。大脳皮質や海馬にはカルシウム結合タンパク質の一種であるパルブアルブミン(PV)を含有するGABAインターニューロンが多数存在するが、甲状腺機能低下を示すマウスでは、このPV陽性細胞の減少が観察される。とくに大脳皮質の連合野および運動野では、その減少率が極めて顕著であり、また海馬錐体細胞においてもPV陽性細胞数の著しい減少が認められた。一方、PV陽性細胞と共通の神経前駆細胞から発生するソマトスタチン(Sst)陽性GABAインターニューロン数を計測したところ、甲状腺機能低下を示す動物の海馬では、PVを含有する細胞の立ち居振る舞いとは逆に、細胞数の増加が確認された。とくに海馬のstratum oriensではSst陽性細胞の顕著な増加が観察された。次に、甲状腺機能不全動物に甲状腺ホルモン補充しインターニューロン形成異常の改善効果を期待した。その結果、甲状腺ホルモン補充によるニューロン形成異常の改善効果が認められるのは生後3週間まであり、この時期を過ぎるとその効果が失われることが明らかになった。また組織学的解析から、PVおよびSst陽性GABAインターニューロンには甲状腺ホルモン受容体サブタイプα1の発現が観察されたことから、甲状腺ホルモンがこれらのニューロンの分化・成熟を直接制御する可能性も示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 出血性低血圧ショック時の視床下部室傍核活性化における延髄プロラクチン放出ペプチド含有ニューロンの関与2010

    • 著者名/発表者名
      内田克哉、小林大輔、ゴーパルダス、尾仲達史、井上金治、井樋慶一
    • 雑誌名

      ACTH Related Peptide

      巻: 20 ページ: 25-28

  • [学会発表] シンポジウム:哺乳動物の脳神経系およびホルモンに関する最近の話題2010

    • 著者名/発表者名
      内田克哉
    • 学会等名
      日本動物学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20100923-20100925
  • [学会発表] 出血性低血圧ショック時の視床下部室傍核活性化における延髄プロラクチン放出ペプチド含有ニューロンの関与2010

    • 著者名/発表者名
      内田克哉、小林大輔、ゴーパルダス、尾仲達史、井上金治、井樋慶一
    • 学会等名
      日本神経科学学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      20100902-20100904

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公開日: 2012-07-19  

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