研究課題
アルドステロンは昇圧に関与する最も重要なホルモンの一つであり、その上昇が治療抵抗性高血圧の一因であると考えられている。そのため、アルドステロンの合成・分泌抑制をターゲットとした新規降圧療法の開発が、今後の治療抵抗性高血圧患者の治療上必須であると考えられる。本研究ではアルドステロン合成酵素CYP11B2遺伝子およびその制御上重要な転写因子であるCREB/ATFに焦点を当て、両者間の相互作用ならびにCYP11B2遺伝子転写抑制の分子機構の解明を行うことにより、CYB11B2発現抑制に基づいた新規降圧療法開発のための基盤を構築することを目標としている。我々は、本年度に以下の点を明らかにした。1)ヒト副腎癌H295R細胞に核受容体PPAR-γアゴニストであるピオグリタゾンを投与したところ、アンジオテンシンII誘導性のアルドステロン分泌が抑制された。2)H295R細胞にピオグリタゾンを投与したところ、アンジオテンシンII誘導性のCYP11B2 mRNA発現亢進が抑制された。3)H295R細胞にピオグリタゾンを投与したところ、アンジオテンシンII誘導性のCYP11B2遺伝子プロモーター活性上昇が抑制された。4)ピオグリタゾン以外のPPAR-γアゴニスト(ロシグリタゾン、GW1929)投与によっても、CYP11B2遺伝子プロモーター活性上昇の抑制が認められた。5)PPAR-γアンタゴニストGW9662投与により、ピオグリタゾンによるCYP11B2遺伝子プロモーター活性抑制が減弱した。6)CYP11B2遺伝子プロモーターのdeletion mutantsを用いた検討から、CREB/ATF結合部位であるAd1領域がPPAR-γアゴニストによる遺伝子転写抑制の責任部位であることが明らかとなった。来年度は、PPAR-γとCREB/ATF間の相互作用に関して更なる検討を進める予定である。
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