研究課題/領域番号 |
22591014
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
屋比久 浩市 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (70545748)
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研究分担者 |
益崎 裕章 琉球大学, 医学研究科, 教授 (00291899)
島袋 充生 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (60271144)
幸喜 毅 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (80273415)
高山 千利 琉球大学, 医学研究科, 教授 (60197217)
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キーワード | 肥満 / レプチン抵抗性 / 視床下部 |
研究概要 |
人工甘味料アスパルテームが糖脂質代謝に及ぼす影響、そして視床下部におけるStat3シグナルを解析した。 1.若齢マウス(C57BL/6Jオス)に高脂肪食(HFD)とともに、一定期間(4~7週齢)のみ人工甘味料アスパルテーム(Asp)を給餌することで、摂食量が増え、HFD単独に比べて有意な体重(内臓脂肪)増加を来たすことを見出したため、まず各群マウス22週齢における糖脂質代謝について検証した。Asp給餌群では、HFD単独群に比べて、糖負荷テスト(IPGTT)でのglucose AUCが有意に高値を示していた(1763±153 vs.1289±103)。さらにインスリン負荷テスト(ITT)でも、Asp給餌群はインスリン感受性の悪化が認められた。 2.形態的に、各群マウス22週齢の膵島内インスリン分泌細胞の面積および重量についても検証したが、明らかな差は認められなかった。しかしAspを給餌したマウスの22週齢において、肉眼的な脂肪肝増悪所見が認められたため、異所性脂肪蓄積についても検証した。まず肝臓切片をoil red Oで解析をしたところ、Asp給餌群はHFD単独群と比較して有意に肝臓内脂肪が蓄積していた。同時に肝内中性脂肪含有量も有意に増加していた。現在、筋肉内における脂肪蓄積についても検証中である。 3.若齢期マウスにおけるHFD&Asp同時給餌誘導性の高レプチン血症に関して、各群マウスの7週齢でレプチン脳室内投与(i.c.v.)にて視床下部のStat3シグナルを検証したところ、HFDとともにAspを同時給餌した群では、HFD単独群に比べて、Stat3シグナルが有意に低下していた。体重差の殆ど無い7週齢においても、Aspが視床下部レベルでレプチン抵抗性を強く惹起していることが考えられた。
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