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2011 年度 実績報告書

若齢期の人工甘味料曝露によるレプチン抵抗性獲得機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22591014
研究機関琉球大学

研究代表者

屋比久 浩市  琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (70545748)

研究分担者 益崎 裕章  琉球大学, 医学研究科, 教授 (00291899)
高山 千利  琉球大学, 医学研究科, 教授 (60197217)
キーワード肥満 / レプチン抵抗性 / 視床下部
研究概要

人工甘味料アスパルテームが視床下部ERストレスに及ぼす影響を解析した。
1.若齢マウス(C57BL/6Jオス)に高脂肪食(HFD)とともに、一定期間(4~7週齢)のみ人工甘味料アスパルテーム(Asp)を給餌することで、摂食量が増え、HFD単独に比べて有意な体重(内臓脂肪)増加を来たすことを見出し、さらに視床下部のStat3シグナルを検証したところ、HFDとともにAspを同時給餌した群では、HFD単独群に比べて、Stat3シグナルが有意に低下していた。体重差の殆ど無い7週齢においても、Aspが視床下部レベルでレプチン抵抗性を強く惹起していることが考えられた。
2.視床下部におけるStat3シグナルにつき、上記各群で視床下部ERストレス関連遺伝子(CHOP、XBP1、ERDj4)および蛋白(IRE1α、PERK)リン酸化を検証したところ、7週齢においてHFDとともにAspを同時給餌した群では、HFD単独群に比べて、これらのERストレス関連因子が全て有意に亢進していた。この時点(7週齢)で、内臓脂肪や肝臓におけるERストレス関連因子も調べたが、上記2群間で明らかな差は認められなかった。しかし、7週齢で有意差が認められた視床下部ERストレスは22週齢でその差が無くなり、対して内臓脂肪と肝臓におけるERストレス関連因子がHFDとともにAspを同時給餌した群で有意に亢進していた。
3.食の嗜好性につき検証したところ、HFDとともにAspを同時給餌した群では、HFD単独群に比べて、HFDに対する強い嗜好性が認められた。
4.続いて、ERストレスを強制的に解除する分子シャペロン4PBAをAsp投与期間中(4~7週齢)に腹腔内投与したところ、以後体重の有意な増加が抑えられ、成獣期(22週齢)における糖代謝の有意な増悪も抑えられた。また若齢期のHFDとAspを同時給餌することで獲得されたHFDに対する強い嗜好性が、若齢期の4PBA投与により解除された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

視床下部におけるERストレスのみならず、内臓や肝臓におけるERストレスも検証できたこと、さらに同時採取した筋肉、皮下脂肪、そして腸管上皮細胞におけるERストレスの関与も検証中である。そしてERストレス解除薬である分子シャペロン4PBAを投与することで、ERストレスの解除のみならず、Aspの体重増加や糖脂質代謝、食の嗜好性に及ぼす悪影響を抑えられたことまで確認できた。

今後の研究の推進方策

今後は、Aspが視床下部ERストレスを惹起するメカニズム解明を進め、さらにマウスneuronal primary cultureに直接Aspを振りかけることで、実際ERストレスが有意に亢進するのか検証したい。

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公開日: 2013-06-26  

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